レコード、良い。
先日、ふと立ち寄った楽器店でポータブルのレコードプレーヤーが安売りされており、久々の衝動買いをしました。
さほど良い代物ではないので音質の面での感動はありませんでしたが、自分には馴染みのない「円盤に針を落として音が出る」そのプロセスに新鮮な感動を覚えました。
で、じっくりとツェッペリンやビートルズ、クイーンのアルバムなんかを聴いてみて「レコードいいなあ」と思った、というお話です。
レコード。
まずフィジカルでドンと存在感があり、手触り・見た目的にも「さあ音楽を聴くぞ」という気持ちが湧いてきます。
存在だけは知っていた「A面・B面」という概念、レコード世代の父からは単にひっくり返すのが面倒な作業だと聞かされていたのですが、これがむしろ良い。
最近、アルバム1枚を通して聴く忍耐力が下がってきている実感があります。途中で集中力が途切れるというか。なので、1枚のアルバムを前半と後半に分けて聞くというのが逆にアルバムを聴くハードルを下げてくれる。一息ついて、後半を始める。
別のレコードに変える作業もまあ確かに面倒くさい。ただその分、サブスクのようにボタン一つでポンポン他のものへ移っていくことができないため、1枚のアルバムに集中して取り組むことができます。変えるの面倒だし、もう一回これ聴くか、みたいな。
これ、コーヒーの豆を挽く行為に近い気がします。
今どきわざわざ自宅で豆を挽く人は少ないと思いますが、その行為自体がなんだか楽しい。さっと飲みたいならインスタントでもいいですが、じっくり腰を据えて楽しむなら豆を挽いてコーヒーを入れる、みたいな。
同じように、サブスクで手軽に音楽を聴くのも良いですが、時間があるときに七面倒なレコードを再生する行為も時々はやりたいなと思います。
針を落とすまでの行為はちょっと儀式じみていておかしい。
ただまあ、レコードは高い。1枚買ったらサブスク3か月分に相当します。ので、早々変えたものではないです。サブスクとレコード、今後はどちらも使っていくことになりそう。どっちも素敵。
で、CD世代(厳密にはmp3のダウンロード世代かも)の自分としては改めてCDというものへの関心が高まっています。A面やB面はありませんが、あれはあれでフィジカルの手触りがあって好きです。聴きこみたいアルバムはCDで持っていて、デスクの上に並べておくと集中して取り組めそうです。サブスクだと目移りしちゃうので。
久々にCDプレーヤーも買ってみるか~、などと思い始めています。
サブスク、CD、レコードと来て、今は一番関心のないカセットにもまた興味が湧いてくるかもしれません。それはそれで楽しい。
全部置ける場所さえあったらなあ。
人間関係のメンテナンスが苦手
気づけば友達が少ない。
現在の自分を取り巻く人物相関図が恐ろしくシンプルになっている。矢印が親族以外にほぼ向かない。ある意味非常に身軽である。
一方しがらみがない分、人との関わりという点で生活は味気ない。
元々友達がいなかったのだろうか。しかし思い返せば学生時代、全くのぼっちになったことはなかった。課題のことを相談するくらいの友人は常に欠かしたことがない。
しかし比較的友人の数が多かった小学生時分と比較して、明らかに現在、手持ちの交友関係が少ない。
そこには大したからくりはなく、自分はただただ「人間関係のメンテナンスが苦手」というところに尽きるのだろうなあというのがここ最近の結論である。
卒業や就職で物理的に離れる。当然会う機会は減る。友人であるという意識が薄れていく。
しかし普通の人はここで、きちんとその関係を維持するための努力をしているのだなと気づいた。
学生時代の友人たちは、卒業後にも休みの日に一緒に出掛けたり、たまに飲みに行ったり、それが無理でもせめてメールを送りあったり、SNSでは相互フォローであったりと、人間らしい営みをもって関係性が薄れないようにしているのだった。
これがメンテナンスである。
人間関係というのは意外と維持費のかかる持ち物だ。労力や時間を惜しんでいると錆び付いていく。気づいた頃には触りたい気持ちも残されていない。
自分は明らかに人間関係の構築が元々下手だ。それゆえ現在抱える人間関係で手一杯で、喫緊で必要ではない(失礼)相手に対して全く気が回らない。過去のそれらに割けるリソースが少ない。当然自分も相手も互いを忘れていく。
そんなわけで長く続いた友人関係は、今限りなくゼロに近い。
昨日、SNSのトレンドに「人間関係リセット症候群」なるワードが食い込んでいた。
ふとした瞬間に、過去の関係をばっさり切ってしまいたくなる現象だそうである。
これを見て自分と似ているなあと思いかけたが、自分の場合別に積極的に切りたいと思って切っているわけではないなと改めた。
コロナ禍に入り、もうすぐ2年が経とうとしている。
半年に1回の飲み会で何とか繋いでいた人間関係も、なんだかもうすぐ切れそうな予感がする。
かといって、オンライン飲み会を持ちかけるほどの積極性は、やはり自分の中に生まれないのだった。
Do Re Mi【Nirvana】
ニルヴァーナはボックスセット買うくらいには入れ込んで聴いたもんですが、そういえば『Do Re Mi』って曲が大好きだったなあなど思い出した。
カート・コバーンがどうして天才かと言うと、およそ万人受けとは程遠い音作りにこれ以上ないというメロディーを乗っけられるところだと思うんですが、
この曲はパワーコードでガシガシ弾いてはいるものの、完成してもここから遠い音作りにはなってなかったんじゃないかなぁという素朴なつくり。
メロディがいい。曲調は明るいのにこんなに悲しい歌声があるかと。
ニック・ドレイクなんかが感覚的には近いかもしれない
昔からニルヴァーナの4枚目があったらどんなアルバムだっただろう、と夢想することがあるんですけど、アコースティックアルバムだったらいいなあという結論になる。
それこそR.E.MのAutomatic For The Peopleのような。
カートのデモでいうとこの曲も好き。
本人は絶対掘り返されたくないだろうけども。
"Desire" - Kurt Cobain
メタルファンが妄想するだけで終わってたカバー曲が日本で誕生してた。【QUADRATUM / From Unlucky Mopheus】
これ。
この動画がすごい。
もう30回くらい見たかもしれない。
【Cover】Yngwie Malmsteen - Far Beyond The Sun (Violin Cover)
イングヴェイ・マルムスティーンといえば、速弾きの代名詞ともいえるギタリストで、
彼より速いギタリストがごまんと出てきた今でもポール・ギルバートなどと並んでその地位が揺らぐことはありません。
強烈なキャラクターとダサすぎるジャケットなども彼がメタルファンの記憶に居座り続ける理由の一つでしょうが、シンプルに曲やフレーズの良さが彼の人気の際たる理由だと思います。
なかでもソロとしてはデビュー作の『ライジング・フォース』収録の"Far Beyond The Sun"は、とにかく曲としての完成度が高く、代表曲のひとつとなっています。日本人が大好き陰気なハーモニックマイナースケールがふんだんに盛り込まれている熱い曲。
で、イングヴェイは直接の影響として、伝説のヴァイオリニスト、パガニーニを上げておりまして、彼のフレージングがクラシックからの引用も多いことから、「ネオクラシカルメタル」なんていうジャンルが確立された...みたいな話はウィキペディアにでも書いてあるので詳しくはそちらをご覧いただければいいんですが。
ここで言いたいのは、「ヴァイオリンの影響下で作られたギターのインストの名曲だったら、ヴァイオリンのカバーがあったら聴いてみたいなあ」と思うのはまあまあ当然の欲求だったということでして。
御多分に漏れず自分も、ふと思い出しては「Far Beyond The Sun Violin Cover」とかでYouTubeで検索かけるってのを数年やってきたわけですが、いまいち引っかかりませんでした。
シンプルに、難しすぎるのかもしれない。
ヴァイオリンは触ったことすらないのでなんとも言えないのですが、同じくフレットが無い楽器であるコントラバスをやっている自分からすると、音程を取るのが難しい楽器での速弾きと言うのは想像を絶するところがあります。やっぱりプロでも難しいんじゃないでしょうか。(YouTubeには「ヴァイオリンの方が弦移動が少ない分かんたんだよ」といったコメントもありましたが本当か…?)
加えて、クラシックの畑の人がポピュラーミュージックを本気でやるというのは、色々とジャンルフリーのヴァイオリニストが出てきた(デイヴィッド・ギャレットとか)現在でも、ものすごく盛んなわけではないので、しょうがないかなあと諦めていたところ。
【Cover】Yngwie Malmsteen - Far Beyond The Sun (Violin Cover)
ほとんどメタルヘッズの「ぼくのかんがえたさいきょうのカバー曲」、その妄想がそのまま叶ったようなカバーでした。
QUADRATUM From Unlucky Mopheus(Unlucky Mopheusというバンドの楽器隊だけのプロジェクト)。
カバー曲にはつきものの、「原曲を聴きすぎたために感じる違和感」みたいなものがひとつもなく、当たり前かもしれませんが、びっくりするほどヴァイオリンの音色にハマる。インギ―の頭の中ではこう鳴っていたのかもしれないと思うようなサウンド。
で、恥ずかしながらこのバンド(Unlucky Mopheus)自体知らなかったんですが、他の楽器隊もすごくて、原曲ではオルガンで弾かれていたソロが逆にギターアレンジされており、ヴァイオリンとギターの掛け合いになっていて、これも注目の点でした。
ドラム・ベースのリズム隊もしっかりグルーヴ出しつつ、重さもあり、「これ原曲?」となる違和感のなさ。
BABYMETALを筆頭に実はメタルが一番アツい国って日本なのでは?と最近思っているのですがまたこう、そう思わせる要因が増えたなーと。
今の10代の子とかもめっちゃ聴いて、暑苦しいロックに身を焦がしていただきたいなあとか思いました。
ちなみに自分はFar Beyond The Sun、欠片も弾けません。Far Beyond My Talent...
Loud Playing Workshop(ラウド・プレイング・ワークショップ)
- アーティスト:QUADRATUM From Unlucky Morpheus,クアドラートゥム・フロム・アンラッキー・モルフェウス
- 発売日: 2021/01/27
- メディア: CD
「一時期こればっか聴いてた」曲リスト
「この時期、こればっか取り憑かれたように聴いてたなあ」という曲をひたすらリストにしました。人のこういうの見るの好きなんで自分もやってみます。
■Viva Brother "Darling Buds of May"
乾いたギターにゴリゴリのUKサウンド。シンプルなコード進行。意味わからんくらい聴いた
Viva Brother - Darling Buds Of May
■Oasis "Stand By Me"
1st,2ndの曲は全部聴きすぎってくらい聴いたけど、3rdではこれを特に聴いてました。
Oasis - Stand By Me (Live From The GMEX) [Sound HQ]
■Oasis "Underneath The Sky"
マスタープランは名曲揃い。
■David Bowie "Heroes"
スケール感と鋭いギターリフにやられて死ぬほど聴いた。
David Bowie - Heroes (Official Video)
■The Fratellis "This Old Ghost Town"
3rd(We Need Medicine)だとこの曲ばっかり聴いてた。でも一番好きなのは2ndアルバム。
The Fratellis - This Old Ghost Town
■Jason Mraz "Livin' In The Moment"
世界で一番優しい歌です。
Jason Mraz - Living In The Moment (Official Video)
■Radiohead "The Bends"
元の音源もそうだけどこの⇓スタジオライブがかっこよすぎてずーっと聴いてた。
まあベンズ自体むちゃくちゃ聴いたんですが
■Radiohead "Prove Yourself"
静寂からの爆音、エモーショナル。本人たちはピクシーズのパクりだと腐してた。
Radiohead Prove Yourself live 1994
■Public Image Ltd. "Public Image"
PVも併せて中毒性がすごい。
■Paul Mccartney "Pipes Of Peace"
柔らかくて暖かい感触が好きだった。
Paul McCartney 'Pipes of Peace (2015 Remaster)'
■Billy Joel "Allentown"
歌詞もメロディもここにしかない悲哀がすごい。泣ける
■Bruce Hornsby & The Range "The Way It is"
サビのリフのクールさにやられてずっと聴いてた
■Ride "Like A Daydream"
1stアルバムが思ってたよりしっくりこなかったけど、この爆音路線はすき
■Jake Bugg "Slumville Sunrise"
UKロックに絶妙な古臭さをもちこんだ名曲。
Jake Bugg - Slumville Sunrise (Live)
■James Bay "Hold Back The River"
1stアルバムは本当によかったなあ
James Bay - Hold Back The River
■Nirvana "Verse Chorus Verse"
やっぱりメロディセンス
Nirvana - Verse Chorus Verse [Lyrics]
■Schroeder-Headz "Bluebird"
e.s.tとは違った良さがあるんですよ。ジャズの入り口になった曲
Schroeder-Headz - Blue Bird 【PV】 F.O. Version
■LiPPS "Tulip"
いや、急に?
■Pearl Jam "Jeremy"
歌詞を読んでから、ずっとすき
Jeremy - Pearl Jam - Live In Pinkpop 1992 HD
■Pearl Jam "Rearviewmirror"
サビのバッキングがかっこいい。後半の盛り上がりもすさまじい
Pearl Jam- Rearviewmirror SNL 1994 1080p HD Remastered
■Smashing Pumpkins "Today"
10代の心にはこの分厚い音が必要だったのです
The Smashing Pumpkins - Today (Official Music Video)
■Giovanni Allevi "Go With The Flow"
世界で一番優しい曲です(2回目)
GIOVANNI ALLEVI - Go with the flow (videoclip ufficiale)
■George Winston "The Holy And The Ivy"
冬の厳しさと、冬だからこその温かさが同居した冬ソングの頂点。一時期ソロピアノばっか聴いてて、切実に癒しを求めていた
The Holly and the Ivy - Solo Pianist George Winston - from DECEMBER
■The Vines "Autumn Shade Ⅱ"
コードはシンプルながらビートルズ級の芸術性。
The Vines - Autumn Shade II (Lyrics In The Video)
■Muse "Plug In Baby"
変わった音使いのイントロとサビの開放感にやられた
Muse - Plug In Baby (Official Video)
■Fall Out Boy "The (Shippied) Gold Standard"
シングル曲でもないのにめちゃくちゃ聴いてた。これ以外の曲はあんまり知らない
Fall Out Boy - The (Shipped) Gold Standard
■The Smiths "The Boy With The Thorn In His Side"
十代のガラスのハートに刺さった。イバラだけに
The Smiths - The Boy With The Thorn In His Side (Official Music Video)
■The Fray "Where The Story Ends"
エモいというならこの曲ほど一瞬で持っていかれる曲ないかもしれない。雨の日にとても似合う
The Fray - Where The Story Ends
■Queens Of The Stone Age "Go With The Flow"
Queens Of The Stone Age - Go With The Flow (Official Music Video)
■Soundgarden "Jesus Christ Pose"
間奏のリフがあまりにかっこよくてずっと聴いてた
Soundgarden - Jesus Christ Pose (Official Music Video)
■Jamie Cullum "I'm All Over It Now"
声がほんとすき
Jamie Cullum - I'm All Over it
■Mando Diao "You Can't Steal My Love"
これはもう本当に聴きまくった。青春なんてなかったけど青春ソング
Mando Diao - You Can't Steal My Love (Official Video)
■Arctic Monkeys "Settle For A Draw"
アクモンは基本アルバムまるっと狂ったように聞いてましたが、この曲はB面ながら聴きまくった
Arctic Monkeys - Settle for a Draw
間奏のセリフも含めてハマった。筋少バージョンはYouTubeにない
Underground Searchlie - winerider forever (大槻 ケンヂ)
■みかくにんぐッ "とまどい→レシピ"
謎の中毒性
「とまどい→レシピ」みかくにんぐッ!ミュージックビデオ(半分くらいの尺Ver.)
■The Cribs "We Share The Same Skies"
狂ったように聴いてた曲ナンバーワンかもしれない。ジョニー・マー加入期だからか、クールでエモーショナルなリフとクリブスの荒っぽいのに繊細な感性が融合して最エモソングとなった
The Cribs - We Share The Same Skies
ベックの中では有名曲ではないんですけど、このスタジオライブがめちゃくちゃかっこいいのです
■Manic Street Preachers "Motorcycle Loneliness"
都会の哀愁という感じで好きだった。歌詞も難しい単語が多いけどすき
Manic Street Preachers - Motorcycle Emptiness (Official Video)
■Twisted Wheel "We Are US"
時代錯誤的なロンドンパンクを地で行っててすきだった。今なにしてるんだろう
■Iron Maiden "Hallowed Be Thy Name"
リフ弾くのがとても楽しい
Iron Maiden - Hallowed Be Thy Name (live)
■Metallica "Master Of Puppets"
メタリカを本格的に聴く前からこの曲は聴きまくってた。客観的にメタルソング1位なのでは?
■Metallica "Blackened"
実はメタリカで一番好きな曲。作曲者であるジェイソンの弾くベースが全く聴こえないという不遇っぷり
■THE MICHELLE GUN ELEPHANT "バードメン"
日本で一番かっこいい
バードメン / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
■ROSSO "シャロン"
意味わからない歌詞含めて最高のパンクソング
■ROSSO "1000のタンバリン"
「見上げれば1000のタンバリンを打ち鳴らしたような星空」でなんとなく情景浮かぶからすごい
■Black Rebel Motorcycle Club "Whatever Happened To My Rock'n'Roll?"
00年代のガレージ系で一番ひねくれてて好き
Black Rebel Motorcycle Club - What Ever Happened To My Rock And Roll (Punk Song)
■Megadeth "Holy Wars... The Punishment Due"
最強のメタルリフはこれでいいんじゃないですか
Megadeth - Holy Wars...The Punishment Due
■Carcass "Heartwork"
唯一好きなデス系。今でいうメロデスとも違う、唯一無二の世界感。
■System Of A Down "B.Y.O.B"
一時期コピーもしてたけどチューニングがめんどくさい。変態的な転調の集大成的な曲
System Of A Down - B.Y.O.B. (Official Video)
■John Mayer "Slow Dancing In The Burning Room"
最近コピーしたくてずっと聴いてる
John Mayer - Slow Dancing In A Burning Room [HD]
いったん思いついたのはこれくらいでしょうか。まだありそうですが。
「アルバム全体を通して死ぬほど聴いたので逆に1曲だけ聴きまくった印象がない」というものは除外してるので実際聴いた回数はそれほど反映されてないです。
■総評
かなりベタだった
【入門】めっちゃくちゃわかりやすかったジャズの5曲を挙げていく
興味はあるけど、聴いてみてもなんだかよくわからない。でもやっぱり気になる…という段階が(ジャズに限らず)どの音楽ジャンルにしてもあると思います。
そういう段階では、好きになるためにわかりやすい曲を聴くのが一番。活字に慣れるためにラノベを読む、いいじゃないですか。そんな感じです。
というわけで、自分がジャズを聴くきっかけ・入口となった「滅茶苦茶わかりやすいジャズの曲」をつらつら挙げていく記事です。
①Duke Jordan "Glad I Met Pat"
デューク・ジョーダン(ピアニスト)自体はジャズミュージシャンの中でもものすごく有名な部類ではない(あくまでマイルスやコルトレーンやロリンズなんかと比べて)ですが、この曲はジャズとかジャンルとか関係なく最高。
アルバムジャケットが表す、寒い冬に聴くのがぴったりの曲で、暖炉を焚いた温かい部屋からしんしんと降りしきる雪景色を眺める、ほっこりした気分になります。メロディもとってもわかりやすい。ここまで情景がありありと思い浮かぶ曲もなかなかないのではないでしょうか。ニューエイジとかイージーリスニングとか好きな人も気に入ると思います。
とりあえずアルバム自体めちゃくちゃお勧めだし、なんならちょっとだけ通ぶれるチョイスなんじゃないかと思います。1973年のアルバムなんで結構新しいですね。
②Dave Brubeck "Take Five"
Dave Brubeck, The Dave Brubeck Quartet - Take Five (Audio)
ド級に有名曲なので普通に知っている人も多そうですが、デイヴ・ブルーベック(ピアニスト)のこの曲はロックファンでも素直にかっこいいと思えるクールなテーマが最高。また、ジャズの核心部分でありながら、ジャズファンでないと聴いているのがつらいアドリブ部分も結構シンプルで、曲のフォーマットが分かりやすいのも点数高い。映画のサントラのような感覚で聴けるので入門編として最適。ただし曲名の通り5/4拍子のため演奏するとなると難しい。
③Miles Davis Quintet "Airegin"
作曲はソニー・ロリンズ。ウェス・モンゴメリーなど、いろんな人が演奏していますが、この演奏をマイルスバンドのこの演奏を聴いてほしい。ただただ冒頭のベースリフがかっこいいという一点で選出。そうです、ベーシストです。
ジャズの「おしゃれ」「ゆったりした」「眠くなる」などのイメージを壊してくれた、なんかすげえ攻撃的な部分を感じた曲でした。かなりロック。ちなみにベースはポール・チェンバース御大が弾いています。
④Art Blakey & The Jazz Messengers "Moanin'"
Art Blakey & the Jazz Messengers - Moanin'
「坂道のアポロン」を見てた人ならお馴染み、アート・ブレイキーのド定番ソング。
冒頭0.1秒で「わあ、ジャズ」って思えるわかりやすいテーマがナイス。ちなみにアート・ブレイキーは超親日家なので、そのへんのエピソードを読むのも結構たのしい。
⑤Return To Forever "Spain"
モダンジャズっぽいもので固めたかったのですが、この曲もスタンダードとして定着していて、ロックからも入りやすいという点で外せませんでした。
チックコリア率いるリターン・トゥ・フォーエヴァーの作品で、エスニックな雰囲気満載の名曲。もう完全にフュージョンの曲ですが、入口としてはこれ以上ないのではないかと思います。
チック・コリアをお気に召したら↓とかを聴いてみるがよいと思います。
■総括
チョイスが散漫。
けどまあ、ビバップだのウェストコーストだのフュージョンだの、最初は難しいこと考えずに聴いたらよかろうかと思います。
あと、本当はゴリゴリに「現代の」ジャズが好きな人間なので、そのうちガッツリ記事を書きたいなあと思います。ではー。
カサビアンからトムが脱退した。
本日、ショッキングなニュースが目に飛び込んできた。
カサビアンからトム・ミーガンが脱退。本気で二度見レベル。マジか
トム・ミーガンはカサビアンのボーカルである。
カサビアンはUKでは、こう、それはもう、すんごいバンドなのである。日本のバンドで例えようと思ったが、難しい。ちょっと変わったバンドのくせに、スタジアム級の動員を誇る、とにかくすごいバンドである。
例えばこの曲を見て貰えばわかる。
Kasabian - Club Foot live at the O2 London
ほとんどずっと同じようなコードの怪しい曲に、スタジアムの観客が踊らされている。一聴しただけでは良さはわかりづらいと思うが、ハマればわかる。なんだか取り憑かれるような魅力がある。
トム・ミーガンはカサビアンの要だ。ギターのサービ・ピッツォーノが作る、変態的なのにいつも絶妙にポップさのある曲にぴったりだった。シリアスすぎず、ちょっとアホっぽい陽気さも備えていて芯のある声。そして、客の煽りが非常に上手い。
人生で一番良かったライブは?と聞かれたら、自分はカサビアンのライブだと今でも即答できる。ソニックマニアで観たカサビアンは、始まりから終わりまで狂熱が観客を覆っていて、歌えて踊れるアンセムの連続だった。曲の良さとライブのうまさが、今まで観たどのバンドよりも段違いだった。
自分は2000年代以降で一番偉大なバンドはアークティック・モンキーズだと信じてやまないし、カサビアンは実験精神こそあれど革新性で言ったら他のバンドの後塵を拝すると思うけど、いつだって彼らの新曲には新鮮な驚きがあったし、それはすぐに肌に馴染んだ。大好きなバンドだった。
カサビアンにおけるトムは、オアシスで言うとリアムでスミスで言うとモリッシーで、ストーン・ローゼスで言うとイアン・ブラウンで...いやそうか?なんか違う気がしてきたがまあなんかフロントマン2人のうちの1人、みたいな感じだ。ちょう大事。
正直、今のところこれはもう解散なのでは?と思っているが、そういったニュースは出ていない。