デレマスのライブに参加した音楽オタクの感想
ロックやジャズの、つまり楽器主体のライブしか行ったことなかったので、初めての文化がたくさん。楽しい体験でした。
楽器のないライブの楽しみ方というか、視覚に強く訴える演出と、客側の一体感があって成り立つもので、根本的にバンド系とは異なる。
あと、曲そのものが転調しまくりで複雑なのが多くて、改めてライブで聴くと死ぬほど歌うの難しいだろうに踊りながらですごい。
そんで何事も経験ですねぇ、ペンライトなんて初めて振りました。あれ、拍手できないから曲間の静かなパート、本当に静まりかえるんですね、面白い。歴戦のPと違ってペンラの扱い慣れてなさすぎて交通整理のおじさんになってた感ある
そしてDJ KOOを観て歓喜する日が来ようとは思わなかった
そんな感じで。
次はもっと近くで、できれば誰かと観たいですねー
【My Chemical Romance】10年前、マイケミってバンドはすごかったんだ。
十×年前、学生時代。洋楽をそんなに聴かない子でもちらほらリスナーがいたのがマイ・ケミカル・ロマンスでした。
派手なビジュアル(ジェラルドがイケメン)、十代にぶっ刺さる世界観(ティム・バートン感?)、エモ系の激しさがありつつポップな曲調。当時の洋楽入門バンドとして、SUM41、グリーン・デイ、フォールアウトボーイなどに並んでマイケミは挙げられやすい名前でした。
そんなマイケミに対して自分はどうだったかというと、当時ノエル ・ギャラガーの影響でアメリカのパンク系バンドに謎の敵愾心を抱いていたゴリゴリの高二病患者であったため、かなり斜に構えた態度を取っていたのが思い出されます。
2010年ごろはわかりやすく、カサビアン(UK代表)とマイケミがバチバチやってた時期で(後に和解)、かつ自分がカサビアンの大ファンだったために、どうしてもマイケミが好きと言いたくなかったというのもあり。
まあUK勢の影響を差し置いても、「骸骨の派手な衣装を着ててもやってる音楽は普通のポップパンクじゃん」と、どうしても「本物っぽくない」印象が拭えなかったんだと思われます。後期のダムドみたいに、イメージ通りに音楽も尖っていれば、当時の自分のお眼鏡にもかなっていたんでしょうが。うーん痛い
とまあそんな感じで捻くれた態度で接してはいたものの、聴いていなかったかというと全くそんなことはなく、1stと2ndはしっかりチェックしていたのでした。ブラック・パレード(2nd)は世界観もさることながら、ポップな中にクイーンっぽいギターソロが多分に聴けるし、コンセプトアルバムとしてもまとまりのあるいい作品。多分誰もが聴いたことのある表題曲"Welcome To The Black Parade"を始め、"Dead"や"How To Disapper"、"Cancer"は何度も聴きました。
My Chemical Romance - Welcome To The Black Parade [Official Music Video]
Dead! ( Live AOL Session ) - My Chemical Romance
My Chemical Romance - [Cancer] (Lyrics)
1stアルバム"Sweet Revenge"はやっぱり"I'm Not OK"がアンセムで、「これが正しくエモーショナルな歌だなー」と感じた記憶があり...今思うとなんで好きじゃないふりをしてたのか謎なんですが...?
My Chemical Romance - I'm Not Okay (I Promise) (audio)
- アーティスト: マイ・ケミカル・ロマンス
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2004/07/22
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その後方向転換した3rd"デンジャー・デイズ"については未だに聴いていないので、やっぱりファンを名乗るほどの思い入れはないわけですが、この度ダウンロードフェス2020への出演が決まった知らせを受けて、「そういや当時すごかったなぁ」とかぼんやり思い出したという話でした。
...そういやジェラルド・ウェイの好感度が爆上がりしたのが、好きな日本のバンドを聞かれてミッシェル・ガン・エレファントを挙げたところだったりします。そう、つまりミッシェルはすごいという話だったのです。そうだったんですか?
Schroeder-Headz 千種文化小劇場2019.11.04。過去最高のライブだった
トム・ヨーク"The Eraser"が流れるのを聴きながら、「ああ、こういうの好きそうだなー」
と妙に納得しつつ開演を待っていたシュローダーヘッズの名古屋公演。果たして始まったライブは過去何度か観た中で1番良かったです。
今回はバイオリンを加えてのカルテットの編成。当日まで知らなかったんですが、10周年記念、かつニューアルバム発売前のメモリアルなライブだったようです。
ベースにおなじみ玉木正太郎さんがいました。エレキベースぶりっぶりだしアップライトも躍動感あるし前から好きなベーシストです。あとあれ、ノッてる時の首の振り方がフリーっぽい。
で、何がそんなに良かったかというと、まず千種文化小劇場という会場がすごい。ステージを全方向から客席が囲む構成で、ステージが1番低い位置にあるため全ての楽器が見下ろせるし、そもそも距離感が近い。レディオヘッドやベックなんかもやってたLive From Basementに近い雰囲気で高まる。
バイオリンを加えてのカルテットとは言ったものの、アコーディオンや名前も分からない謎の楽器を扱ったり、かなりレンジの広い奏者だったようで、音色もいつもより豊かでした。あと、ロックギタリストさながらにエフェクター踏んでてバイオリンの認識が少し変わった。
リズム隊はものっすごいグルーヴ奏でるし、渡辺シュンスケ氏の透明感あるピアノは時にジャジーに、時に叙情性溢れる演奏で隙が無い。
選曲は1枚目のアルバム以外からまんべんなくといった感じ。4枚目のアルバム"ハルシュラ"はジャズというよりニューエイジやイージーリスニングに近い内容だったんですが、それだけに今回のカルテット編成で奏でられる幅広い音飾を聴くと、風景がくっきり浮かんでくるようで素晴らしかった。A Day of Snowなどは特に雰囲気が出てよかった。
3枚目のアルバム"特異点"はかなりモダンなインストアルバムという手触りの作品だったんですが、そこからの選曲はバンドサウンドでの迫力がとんでもなかった。特に"Hype"。ロックのライブでもここまでドスドス響いてくることないってくらい力強かった。かように音楽の激しさというのは単純な音のデカさじゃないんだなあと実感。
"Blue Bird"や"Wildthing's Arm"など、2枚目(なんで遡りながら言及してるんだろう)"Synesthesia"からの曲はしっとり、メロウだけど壮大で、これも劇場の雰囲気に合ってた。2枚目までのシュローダーヘッズのアルバムはそれ以降より都会的な香りがして、これはこれで好き。
最後は"手紙が届けてくれたもの"で締め。この曲はもはやジャズでもなんでもないですが、メロディがとても良いポップス。そろそろ主題歌として使われた映画ハローグッバイを観ないとなあと思った。
さて、気分良く帰ろうとしたところ、ニューアルバムの予約で本人直筆のミニサインが貰えると聞いたのでまんまと申し込んできました。サイン、実はもう2枚くらい貰ってるんですが。いいんだ、応援の意味も込めてのお布施だ。
よし帰ろうと思ったら年明けのシンシュンシュンチャンショーというライブのお知らせが。
スムーズにお金が流れ出ていく。
...なにこのレジ横のガム欲しくなるみたいな売り方。見事術中じゃねえかよ。
次回、名古屋ell.FITSALLの年明けライブレポ。絶対見てくれよな。
..あれ、SUM 41のライブの翌日では???
ジャズファンはジャンルごと好きみたいな風潮
最近ジャズを聴く比率が上がってきてるんですが、ジャズ好きってなんか「ジャズというジャンル全体を愛してる」ことが前提になってる感があるなと。
もちろん個々にお気に入りのプレーヤーはいると思うんですが、特定のアーティストだけのファンってジャズファンには多くない気がします。「ジャズ詳しくないけど、チェット・ベイカーは20年来のファンでして」とかあんまり聞かなくないですか?
ジャズ好きを名乗る以上はジャズスタンダードは大方網羅、サッチモからデューク・エリントン、コルトレーンを通ってマイルスは必修。以上を踏まえたうえで誰が好きか、みたいな感覚があって、ロック・ポップスと比べて敷居が高いのは確かだなあと。
もちろんそれは「同じ曲をみんなが演奏する」、つまりスタンダード曲が共有されているから起こる現象なんですけど、それって「誰が作曲したか」よりも「誰が演奏したか」の方が重要ということで、なんだか面白い文化だなーと思うわけです。作曲家の存在が弱いというか。
で、敷居が高いというとなんだか悪いイメージがありますけど、開放性の低いコミュニティはその分内部の結びつきも強くなるので、それはそれでアリだと思います。「ロック好き」を自称する人間はごまんといますけど、よくよく話を聞くとワンオクしか聴かないとか結構いますし。一方のジャズはなんとなくみんな全体像を共有しているので、ある程度安心して話ができるというか。
とはいえ、e.s.t以降のジャズはその文化から少しはみ出して、作曲家の存在が前より強くなりつつある気がします。e.s.t, GoGoPenguin,カマシ・ワシントン、ロバート・グラスパーなどなど、ジャズというジャンルは詳しくないけどそのアーティストは好きというのは十分ありえる状況ができつつあり、やっぱり今面白い音楽はジャズだなと思う雑記でした
カート・コバーンが書いてた好きなアルバムリストが楽しそうだったのでやってみたぞ①
故カート・コバーンが影響を受けたアルバムリストが公開されてて、うわ楽しそうと思って真似してみた。
元記事はここ。
自分もやってみたら、なんというかほとんど雑誌に出てるような名盤ばかりで、ものすごいミーハー感が出て音楽オタクを自認してただけにショックだった。
とはいえ、実はこれを書いたのが何年か前のため、今書いたらもう少し違うリストができるなあという感想があって、それはそれで自分の変遷を感じで楽しいので、みんな是非やってほしいなと思いました。
結局、今の洋楽バンドは何聴けばええねんという問いに対する個人的なベタ回答
自分は世代的には00年代がドンピシャなので、10年代以降のバンドは有名でもちゃんと追えていなかったりするわけですが、このブログを除いてくれる3人くらいの人に向けて、「結局今のバンド何聴いたらええねん」という話をしようかなと思います。
■THE1975
今一番ノリに乗ってるバンド。めちゃくちゃポップだった1stから一転、最新作"A Brief Inquiry Into Online Relationships"は「現代のOKコンピューター」なんて言われる実験的な内容で、評論家筋から絶賛。サマソニなどのフェスで日本においても着実に人気を得ているので今後もっと大きくなること必至。
代表曲"Chocolate"(1st収録)はめちゃくちゃ聴きやすいポップな曲なんでまずはここから。
The 1975 - Chocolate (Official Music Video)
■Greta Van Fleet
個人的に一番聴いてほしいバンドで、ミュージシャン筋からも絶賛の嵐。なんといってもレッド・ツェッペリン直系のサウンド、ロバート・プラントそっくりのボーカルが特徴。つい最近成人したばかりなのに完成されたサウンドがとんでもない。ぜひ今のティーンエイジャーにはこのバンドにハマって、「どうやらレッド・ツェッペリンとかいう伝説的バンドの影響を受けてるらしい」というところからロックのルーツに遡り音楽オタクへの道を邁進してほしい。
- アーティスト: グレタ・ヴァン・フリート,ジョシュア・マイケル・キスズカ,ジャコブ・トーマス・キスズカ,サミュエル・フランシス・キスズカ,ダニエル・ロバート・ワグナー
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Greta Van Fleet - When The Curtain Falls
■The Struts
グラム・ロックからの影響が顕著なバンド。曲調もポップで聴きやすく、なんといってもボーカルのルーク・スピラーがフレディ・マーキュリーの声に似ていて華もある。久しぶりにコテコテのロックスター感があって、その振り切った感じが気持ちいい。すき。ジャケットデザインがいいかんじにダサい。
The Struts - Could Have Been Me (Official Music Video)
■Tame Impala
イギリスではすでにヘッドライナー級のバンド。アークティック・モンキーズのアレックス・ターナーも天才と賞賛している。現代版サイケデリックロックで、思いのほか聴きづらく、こういう音楽が現代で売れてる現象はなかなかに珍しい。
Tame Impala The Less I Know The Better (no intro) Optional Subs
■Temples
この中では一番地味かもしれない。と言いつつこの中で個人的に一番好きなバンド。先のテーム・インパラと同系統ともいえるサイケ系ロックだが、こちらは影響源である60年代音楽がほとんどそのまま鳴らされているような感じ。でもイギリスらしい聴きやすさもある。前に父に聞かせたら普通に60年代音楽だと思われた。最近3rdアルバムが発売されたのでみんな買え。ライブは思ったより爆音だから注意してください
↓1stアルバムは隙のない最高の作品。
■The Lemon Twigs
イギリスの風変りな兄弟によるバンド。60年代~70年代のテイストがかなり強く、サイケとポップさを併せ持つ。最初はレトロな手触りばかりが目につくが、転調しまくりのトンデモな曲展開はプログレっぽくもあるかもしれない。音源は現代のバンドと比べると地味に聴こえるかもしれないが、ライブはド級に熱いので機会があったら絶対行くべき。
https://aognotes.hatenablog.jp/entry/2018/11/29/184004
Do Hollywood +6 [帯解説・歌詞対訳 / 豪華新装盤 / 国内盤] (CAD3650CDJP3)
- アーティスト: THE LEMON TWIGS,ザ・レモン・ツイッグス
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あと個人的に注目してるのは、ブラック・ミディ、アイドルズ、アマゾンズあたりですが、今日はまあこんなもんで。
【STING】スティングの声帯が不変すぎた大阪丸善インデックスアリーナ10.15
スティングの来日公演、最終日の大阪公演に行ってきました。着いてから気づいたんですがこの会場、前にYuri!! on Iceのオーケストラコンサートで来たことがあり、入ったのは2度目。
チケット買ったのが公演の2日前だったのでスタンドの奥の方の席でしたが、そんなに大きくない会場なのでしっかり観ることができました。表情とかはさっぱりでしたが、赤い服を着てたことはわかった。あの赤い服の人がスティングかサンタかカズレーザーと見てまず間違いなさそうです
さて、何より思ったのが「スティング、めっちゃ声出るな」ということでした。これが「歳の割に出てる」とかではなくて本当にCD音源と全然変わらないくらい出てる。絞り出すような感じでもなく、自然に歌ってる。魂と引き換えにエターナル声帯を手に入れたんでしょうか。それか逆に人魚姫になるんだと思います
セトリはキャリア通してのベスト盤みたいな、ある意味ポリスのラストツアー以上にわかりやすい内容。いきなり"Message In a Bottle"から始まり、"Englishman In New York", "Fields of Gold", "Brand New Day"やらこれだけは聴きたいみたいな曲がポンポン出てきて、自分のようなライトファンでも知らない曲はほとんど無いくらい。
しかもその有名曲の数々も、全く勿体ぶる気配がない。普通ライブで代表曲やる時って、「今からお待ちかね、あの超有名曲をやりまっせ」みたいな"溜め"を作るもんだと思うんですが、それがなく、あっさり始める。一曲終わると隙間なく次の演奏が始まるため、ポンポン有名曲が襲ってくる。心の準備とかない
それにしても、生で見るともうスティングとしか言いようがない雰囲気に呑まれますね。スティングの曲は本当に独特で、ロックともAORともR&Bともワールドミュージックのどれとも言い難い、あるいはそのどれでもあるような雰囲気がダイレクトに感じられました。"Walking On The Moon"とか確かに月上を闊歩してる情景そのまんまの音で、それが広いライブ会場で流れるとより際立つ。
自分はロックやジャズのライブによく行くんですけど、ロックならロックの、ジャズならジャズの雰囲気が支配しているもんです。が、スティングはもうジャンルがよくわからん。スティングとしか言いようがない。すごい
発見だったのが、あんまり好きじゃなかった"Desert Rose"がライブだとかなり映えること。スティングのヨーオーーーで宗教儀式が始まったかのような錯覚に陥り、どこの国の音階なんだろうみたいな旋律が空間系の音色で鳴ると迫力がすごい。この曲を筆頭に、結構音楽的なバックグラウンドが異常ですよね、この人。
さて、本編ラストはお待ちかねの"Every Breath You Take"で、意外性がないと言えば全く無いんですが本当に良かった。この曲はもう向こう100年は人類が聴き続ける義務があるんじゃないでしょうか。
アンコール後は"Roxanne"から始まり、最後は代表曲(代表曲が多い)Fragile。締めにやるには湿っぽい気がしましたが、最後のハーモニクスで大きな拍車が起きると、渋くてかっこいい曲だなーと実感するのでした。
さて、前述の通り自分はポリスもスティングもライトファンで、「スティングもお年だし最後だろうから行ったこう」くらいのノリで行ったんですが、あの声の調子だと次の来日も全然ありそうだったので、実現した時のためにもうちょっと聴き込んでおこうかなと、そんなことを思ったライブでありました。