南極猿手帖

だいたい音楽の話(邦:洋=2:8くらい)をしている人です。ライブに月1~3回くらい行ってます。

メタリカ DEATH MAGNETICが予想以上に良かった

 

初めて聴くのなら50年前のアルバムだって新譜、のスタンスで書くディスクレビュー。

今日聴いたメタリカの9thアルバム『DEATH MAGNETIC』がすごい良かったです。

 

メタリカを聴いた順番がだいぶおかしくて、

たしか5th→3rd→S&M→7th→6th→4th→2nd→10th→1stみたいな時系列めっちゃくちゃな聴き方してまして、本作より新しい『Hardwired...To Self-Destruct』も先に聴いちゃってました。

 

正直『Load』以降のアルバムの曲はほとんど印象に無くて、曲がやたらと長いこともあり敬遠してた部分もありました。『Hardwired...』も例にもれず、遅くて長い曲が結構多いので最初の2曲以外ほとんど聴いてないです。嫌いではないんですがたるい。

 

で、本作DEATH MAGNETICも1曲が長いことは事前に知ってたんで、最後まで聴かずに置いてたんですよ。(St.Anger?知らない子ですね…)

 

結果、もっと早く聴いとけばよかったなと思える良いアルバムでした。

なんといっても、メタリカ久々にスラッシュしてる。もうスラッシュ四天王の名前返上した方がいいんじゃねぇかと思えるくらいスピードを落としていたメタリカが、ハイスピードでザクザクブリッジミュートを刻んでおりました。1枚通してだいたいずっと速い。もうこれだけで評価できる。

 

そして次々と展開されていくリフのレベルが高い。一曲の中にメインリフにできそうなレベルのリフがいくつも入ってて次々と畳みかけてくるんで心地良いのです。どうやら今作からレコーディングにも参加したらしい鶴次郎ことロバートなんとかさん発案のリフもいくつかあるようで興味深い。

 

では、スラッシュ回帰っぽい本作が初期メタリカっぽいかというとそうではなく。2ndや3rdのころにあった何となく呪術的な怪しさ(クリフ・バートン味?)は無く、全体的に爽快なんですな。もちろんマイナーの曲なんで明るくはないんですが、粘っこさがなくザクザク、小気味良くスラッシュスラッシュ。

 

難点を挙げるとすれば、低評価をつけてる方はカークのソロが気に入らなかったみたいですね。たしかに、恐らくメタリカ史上もっともワウワウしているソロだと思います。ワウワウすぎて豊富なラインナップの映画やドラマを視聴できそうなチャンネルかと思いました。なんか全体的に雑な感じもしますし。が、個人的にギターソロって割とどうでもいい(暴言)パートなんで気にならなかったです。このアルバムはリフを楽しむんや…!

 

ジャケットもなんか趣向を凝らした絵本みたいな作りになってて面白いです。こんなん作るならその分安くしてくれと思わなくもないですが、パラパラっとめくるとマジで変な絵本感あって面白い。はらぺこあおむし読みたくなってきた。

 

・・・と、なんか速いだけで満足するちょっと馬鹿っぽいメタラーみたいな文章になってしまいましたが、そうではなく、単なる原点回帰ではない形で勢いを取り戻したことがうれしかったみたいな話でした。おすすめです。