南極猿手帖

だいたい音楽の話(邦:洋=2:8くらい)をしている人です。ライブに月1~3回くらい行ってます。

【Bon Jovi】オルタナ野郎にこそ聴いてほしいボン・ジョヴィのアルバム『These Days』

さっき知ったんですが、ボン・ジョヴィが来日してたんですねー。

洋楽チケット売れない問題の中、(まだ少し余っているとはいえ)殆ど捌けているようで、流石だなあと思います。

 

さてこのボン・ジョヴィ、自称上級者ロック好きの間では「大好き」と公言しづらい雰囲気が流れている感じがあるんですよねー。曲はキャッチ―、全世界で1億枚以上を売上げ、ルックスもいいという「大衆感」がロック好きには気に入らないんですな。ロック好きは"Authenticity(=本物らしさ)"を重視するきらいがあるため、こういう売れ線っぽいバンドが気に食わない人も多いんでしょう。そうです、中二病です。私はライブにはいかない程度ですけど、普通に好きです。

 

なので、例えばオルタナとかが好きな人間からしたらボン・ジョヴィって受け付けない存在だと思うんですよ。ソニック・ユースとか聴いてるやつが「イッツマイライフ」してる姿とか想像しがたい。

 

ですがご存じでしょうか、ボン・ジョヴィにも「暗い」アルバムがありまして、タイトルを"These Days"と言います。ビョーキっぽい音楽が好きなオルタナ野郎にも気に入ってもらえる(かもしれない)ちょっと面白い内容になっています。

個人的に彼らの最高傑作だと思っています。

 

These Days

These Days

 

 

These Daysは6枚目のアルバムで、1995年発売とカートコバーンがなくなった翌年。この時期アメリカのロック界はグランジの余波でオルタナっぽいサウンドに引っ張られていたバンドが多かった(モトリークルーしかり、レッチリしかり)気がしますが、ボン・ジョヴィもその一つだったわけですなー。

 

冒頭のHey Godは順当にかっこいいハードロック曲、2曲目のSomething for the Painは少し切ない感じのポップロック。この2曲だけでも聴く価値ありだと思うのですが、表題曲"These Days"ボン・ジョヴィの中で一番好き。

 


Bon Jovi - These Days

まずイントロのピアノから暗い。哀愁がかった乾いたギターに、歌詞もまた暗い。

 These days, the stars seem out of reach
 These days, there ain't a ladder on these streets
 These days, are fast, nothing lasts in this graceless age
 There ain't nobody left but us these days

 最近、星が手の届かないところにある気がする

 最近、通りには梯子もない

 品位の無い時代、日々の移り変わりが早くて、永遠に続くものは何一つない

 結局のところ、頼れるのは自分だけ

 

また、歌詞の中には、飛んで行ってしまいたいと飛び下りを図った息子が、それをいさめる母親に対して放ったセリフがあります。

 Mama, I've got to try

 Don't you know that all my heroes died

 And I guess I'd rather die than fade away

 ママ、僕にはやる必要があるんだ

 ヒーローはみんな死んでしまった

 消えゆくくらいなら死んでしまった方がマシだ

 

Hey Hey, My Myかよっていう歌詞ですが、「暗い時代に頼れるのは自分だけ」という、孤独の中に力強い意思も感じる歌詞がとても好きです。

 

近年だとリッチー・サンボラがボーカルを取ってライブで披露していたこともあったようですが・・・・・・リッチー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

 

 

・・・暗い曲はこれだけではなく、"My Guitar Lies Bleeding in My Arms"という曲もボンジョヴィ史上一、二を争うくらい暗いです。好き。


Bon Jovi - My Guitar lies bleeding in my Arms

歌詞↓。

 I can't write a love song the way I fell today
 I can't sing no song of hope
 I've got nothing to say
 Life is feeling kind of strange Since you went away
 I sing this song to you wherever you are
 As my guitar lies bleeding in my arms

 今日の気分じゃラブソングは書けない

 希望の歌も歌えない

 言うべきことは何もない

 君が行ってしまってからおかしくなった気がする

 どこにいてもこの歌を歌おう

 俺のギターが血を流しているから

 

ジョージ・ハリスンといい(While My Guitar Gently Weeps)、洋楽バンドはギターが泣いたり出血したりすごい。

 

・・・そんな感じで、オルタナ野郎にこそ聴いてほしいアルバム『These Days』、気分がどん底の時に聴くとどっぷり浸れる曲があるんでおすすめですー。