南極猿手帖

だいたい音楽の話(邦:洋=2:8くらい)をしている人です。ライブに月1~3回くらい行ってます。

ジョージ・ウィンストン『Winter Into Spring』で漸く雪解ける

冬の始まりはマッキーが告げてくれるのでいいんですが、冬の終わりは誰も教えてくれないのでややもすると四月も中盤に差し掛かるころ未だに冬景色を夢想する自分がいます。

 

そう、冬好きにとって春の訪れは耐え難いものがあるのです。

「春の足音」ってお前が運んでくるの花粉と虫だけだろ。

 

そんな感じで春分の日にはしっかり休んでおきながらも春の訪れを受け入れずにここまできましたが、ジョージ・ウィンストン『Winter Into Spring』が春眠から叩き起こしてくれました。胡蝶の夢を返せ

 

Winter Into Spring (20th Ann Edt)

Winter Into Spring (20th Ann Edt)

 

 

 

さてまず前提のお話として、ジョージ・ウィンストン(George Winston)ニューエイジと呼ばれる、まあなんか癒し系のジャンルに属するピアニストです。

 

この人は季節や自然といった情景を音に置き換えるのが非常に上手で、ピアノの弾き方には詳しくないんですが結構すぐにこの人とわかるタッチを持っている。気がする。

 

これまでソロピアノのアルバムを多数出していますが、とりわけ「四季シリーズ」が有名。ヴィヴァルディよろしく、春夏秋冬それぞれの情緒をピアノの音に落とし込んだ作品群です。

 

個人的には「冬」の作品に当たる"December"→「秋」"Autumn"→「夏」"Summer"→「春」"Winter Into Spring"の順に好き。

 

 

おいおい「春」最下位じゃねえかよという感じなんですが、この「春」作品もクオリティが低いわけではなく、むしろ季節の雰囲気を捉えているという意味では1,2を争う出来だと思っております。

 

まあ単純にポップな曲が少なめで、口ずさめるようなわかりやすい曲があまりないところが印象薄い原因としてあるんですが、久々に聴いたら「うわ…これはWinter Into Springだわ…」みたいな頭の悪い感想が飛び出してビビってる。

 

 

そもそも題名の通りこの作品、純粋な「春」のアルバムでなく、冬から春に移り変わる季節を描写したものなんですな。

 

それは曲名を見ても明らかで、1曲目の題名は誰が何と言おうと完膚無きまでに冬です。

曲調も冷たい。


George Winston - January Stars

 

続く2曲目も完全無欠の冬。


George Winston - February Sea

2月の海ってなんなら全曲の中で一番寒いのでは…?

 

 

そして3曲目。

 


George Winston / Ocean Waves (O Mar)

 

ついに。

 

雪解けの季節がやってきます。

 

は、春がくるううううううううううううううううううううう!

みたいな。

 

草花の芽吹きが、動物の目覚めが、虫達の蠢きが、春風の嘶きが、生命の息遣いが、地球の胎動が、春の足音とともに迫ってくる…!!!!

 

みたいな情感が見事に表現されてます。

そこから曲調もあたたかいものになりつつ、たまに"Rain"のような名リフを擁する曲もはさみ、展開していきます。

(ピアノのフレーズをリフとか言うのよくない)

 


George Winston - Rain

 

正しく、春雨であります。

 

そんな感じで、しぶしぶ来春を受け入れ始めている人たちは是非聞いてほしいジョージ・ウィンストン"Winter Into Spring"でした。

 

夏になったら"Summer"を、秋の訪れには"Autumn"を、身も凍る冬には"December"を聴いて季節をフルに楽しむがよいと思います。

 

 

 

さて書くことが無くなったんで、せっかくなんで最近撮った桜をば。

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 春ですね。