終末期のアルバムが最高に好き、みたいな話
バンドって突然解散する場合もあれば、本人たちが「あぁそろそろ終わりなんだろうな」って自覚してるような場合もあるじゃないですか。
原因としては、メンバーの加齢だったり音楽性の違いだったり普通に仲悪くなってきたり、いろいろ蓄積してきたものがあるんでしょう。
で、後者の場合(解散や活動休止を自覚している場合)なんですけど、その時期に作られたアルバムがめちゃくちゃ良い味出すことがあるんですよ。なんというか、「終末期」に漂う哀愁みたいなものがぷんぷん出てて沁みる。いわゆるわびさび(wabi-sabi)じゃないですけど、「終わりがあるから美しい そんなの分かりたくもないよ(amazarashi)」みたいな感じです。何言ってんの。
以下、そういう「終わりかけ期」に作られた終末感漂うアルバムです。
実質最後のスタジオアルバム。なんというか、最後の思い出作りかのような雰囲気を感じ取ってしまうが、歌詞にはやっぱり当時のギスギス感が反映されたようなものも多い。Octopus Gardenとか。Golden Slumberからの盛り上がりは、まるで映画の締めくくりのよう。
Golden Slumbers / Carry That Weight / The End
◆THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『サブリナ・ヘヴン』『サブリナ・ノー・ヘヴン』
- アーティスト: THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
- 出版社/メーカー: Universal Music LLC
- 発売日: 2005/07/01
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- アーティスト: THEE MICHELLE GUN ELEPHANT,YUSUKE CHIBA
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2003/06/21
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終末期の味と言えばミッシェル。この2枚(+ロデオ・タンデム・ビート・スペクター)に漂う「あぁ…駄目だわこれ世界終わるわ…」みたいな感じがたまらない。ジプシー・サンディーの「どこかに本当に果てというものがあるなら一度くらいは行ってみたいと思う」という歌詞に終末感漂う。
そもそもデビューシングルの「世界の終わり」からして終焉を思わせる内容になっており、ラストライブも「世界の終わり」で締めくくるという、出来すぎな最後を迎えたバンド。2009年、アベフトシの急逝で再結成もあり得なくなってしまったところでより切に響く。
thee michelle gun elephant ジプシーサンデー
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / PINK
◆ROSSO『Emissions』
終末期というか、「いやこれもう終わるでしょ…」みたいな閉塞感たっぷりのアルバム。かなりの緊張感が漂っているが、改めてジャケット見るとちょっと笑う。
◆アリス・イン・チェインズ『Alice In Chains』
ボーカルのレイン・ステイリー在籍時としては最後のアルバム。レインが亡くなったのは本作発表から6年後の2002年だが、本作のレコーディング時にはドラッグの影響でかなり衰弱していたらしく、レインが中々現れなかったりと難航したらしい。アリス・イン・チェインズの楽曲が基本的にネガティブなので、このアルバムが特別ということはないかもしれないが、"Heaven Besides You"など死を思わせる楽曲にこの時期のレインの声が乗ると言い知れない雰囲気が漂ってます。
Alice in Chains - Heaven Beside You
◆スマッシング・パンプキンズ『Machina/The Machines of God』
- アーティスト: Smashing Pumpkins
- 出版社/メーカー: Virgin Records Us
- 発売日: 2000/02/04
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再結成前としては最後のスマパンのアルバム。"Stand Inside Your Love"、"I Of The Mourning"は悲嘆の感情が溢れるかのよう。逆に"Try,Try,Try"のような優しい曲調の名曲もある。はっきり言って売れそうな派手さのある曲は少ないんですが、雰囲気含めてスマパンの中でも1,2を争うくらい好き。
"Try,Try,Try"は解散後にネットで無料配信された『Machina Ⅱ』に収録された別バージョンも良いです。そのへんでダウンロードできます。
2018年、ついにジェームズ・イハも参加のほぼオリジナルメンバーで再結成をしたが、アルバムの評価には賛否あるようで。ツアーで日本には来るんでしょうか。ミスチル地蔵のせいで無いかもなあ…
The Smashing Pumpkins - Stand Inside Your Love
◆デイヴィッド・ボウイ『★(Black Star)』
リリース直後に旅立ってしまったこともあり、どうしても遺書のような意味づけをしてしまう作品。本人に自覚があったかは勿論もうわからないのだが、死を匂わすような雰囲気が全編に渡って漂っており、その反面力強さみたいなものも感じさせる不思議な作品。
David Bowie - I Can't Give Everything Away
◆ニック・ドレイク『Pink Moon』
ニック・ドレイクは死後に評価が高まったパターンのシンガーで、発表したアルバムはどれも売り上げが伸びず。3枚目のこのアルバムを収録した時点では失意の底にあったとのこと。30分ほどの短いアルバムで、アレンジもなくシンプルに、静かに歌われる楽曲が続くが、優しい歌声に底無しの悲哀が感じられてもう。最近ジェイク・バグがカバーしててコメント欄がそこそこに荒れてた。
◆ニルヴァーナ『In Utero』
1993年発の3作目でラストアルバム。本人達が最後と思っていたか、今はもうわからないですが、マイナーキーの曲が圧倒的に多いバンドにおいてこのアルバムのラストトラックである"All Apologies"が暖かく響くところに終わりを感じ取ってしまう。"What else could I be?"という歌詞が切ない。カートが自殺するのは本作リリースの1年後。
Nirvana - All Apologies (MTV Unplugged)
◆クイーン『Innuendo』
フレディ・マーキュリー存命時では最後のアルバムで、このころにはHIVの症状がかなり進んでいたとのこと。ラストトラックの"The Show Must Go On"にはバンドの壮絶な覚悟が表れているような気がする。映画"ボヘミアン・ラプソディ"ではエンディングに使われてましたねー。
Queen - The Show Must Go On (Official Video)
なんかもうちょっと書きたいアルバムがあった気がするんですけど、出てこないんでたまったら書こ