南極猿手帖

だいたい音楽の話(邦:洋=2:8くらい)をしている人です。ライブに月1~3回くらい行ってます。

サイレントベースYAMAHA SLB200が届く。そしてシャトルランの音を流す。

人気ライトノベル『髭を剃る。そして女子高生を拾う。』を見事に模倣したタイトルを創作できたので、もうこの記事でやりたいことは大方やってしまったのですが、せっかく高い楽器が届いたのでその感動と感動に反する葛藤を言葉にしてみようと思います。

 

サイレントベースの名器としてそこそこに名の知れているYAMAHA SLB200が届きました。その名器っぷりは一部界隈でストラディヴァリウスに似ても似つかないと囁かれるほど。は?

 

前々からウッドベースに興味があったものの、金銭的な問題と物理的な問題(スペースがない)、生音は騒音になりうるのできついという点からサイレントベースを購入した次第ですが、果たして届いてみるとやはりでかい。

 

 

刮目せよ。

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比較対象がないとわかりづらいと思いますが、メルカリに出品する際に使えそうなくらい見事な写真ということはお分かりいただけるかと思います。

まあ、スリムとは言っても高さは多分ウッドベースと変わらないんじゃないかと思います。そうじゃないと困る。

 

 

で、肝心の音なんですけど、これはもう少し鳴らしただけで大満足でした。いや、ほんと素人の耳にはウッドベースと遜色ないんじゃない?っていうくらい質感のあるサウンドで、電池入れてアンプにもつないでみたんですけどウッドベース特有の丸い音がかなりの精度で再現されている気がいたします。

 

しばらくはブンブン適当にならしながらニヤニヤしているだけだったんですけど、やはり楽器はなんらかの旋律をならしてこそのもの。何かを試し弾きしようとします。

 

 

…………ブウウ――――――ンンン― ―――――ンンンン………………。

 

…………ブウウ――――――ンンン― ―――――ンンンン………………。

 

…………ブウウ――――――ンンン― ―――――ンンンン………………。

 

夢野久作https://www.aozora.gr.jp/cards/000096/files/2093_28841.html

 

はて。

自分は一体いま何の音を鳴らしているのでしょうか。

 

そもそもチューニングがあっていない。EADGでいいのか?

どうやってチューニングすればいいんだ?

チューニングをしたとして、どこが何の音かどう確かめるんだ?

 知識が、ない。

 

こうなるともう試し弾きどころの話ではない。むしろ楽器に試されている。

 四苦八苦の末、なんとなくチューニングを済ませ、まずはCの音を確認する。

フレットなど存在しないのだが、ギターではおなじみ5弦3フレットっぽいところを押さえ、(そもそも弦が4本しかないので5弦が存在しない)鳴らしてみる。

 

BともCともつかない、あいまいな音が鳴る。

少しずらしてもう一度鳴らす。今度はC#に近づいた気がする。

 

 

え、わかんねぇ………

 

 

 

ほんの少しずらしただけでめちゃくちゃに音が変わる。ここぞ、という一点で鳴らさないとずれる。難しい…

 

Cだけでこの有様である。しかもローポジションでは1フレットの幅がラプラタ川並に広いくせに、ハイポジションに行くともうくしゃみしただけで半音上がりそうなくらい狭い。

 

音の変わり方がデリケートすぎる。赤ちゃんの肌なの?

 

とにもかくにもどこが何の音なのか、少しずつでも把握しようと、とりあえずYoutubeから音階の音源を探します。ドレミファソラシドを鳴らしてもらって、それに合わせて弾けば正しいポジションもつかめるだろうという賢しい目論見です。

 

 

 

僕はそこで、シャトルランと、出会いました。

 

 

 

シャトルラン、ご存じでしょうか。いや、存じてないわけがないと思います。体育でみんなやると思います。ドレミファソラシド、ドシラソファミレドと、Cメジャースケールの上行・下行を延々と鳴らし、その間20mの幅を往復して走り続けるという地獄の沙汰の競技です。

 

これが使えました。

 

他の余計な情報一切抜きに、Cメジャースケールを流し続けてくれる。しかもドシラソファミレド、の下行フレーズまで流してくれる。しかも走った回数をわかりやすくするため、毎回回数もカウントしてくれる。便利。

 

それからというもの、ポジションを感覚的に覚えるまでひたすらシャトルランを流し、それにあわせてブンブン弾く謎の時間が続きました。狭い部屋にこだまする

…………ブウウ――――――ンンン― ―――――ンンンン………………。&

無機質なシャトルランの声。さぞかし不気味だったことと思います。それこそドグラ・マグラの世界。

 

 

 

人間欲が出てくるもんで、次はAメジャーを、Fメジャーをと弾こうとするとさすがにシャトルランでは対応しきれなくなるので、1日にシャトルランする時間は減りつつありますが、相変わらずシャトルランは毎日欠かしていません。1ミリも走ってはいないのですが。

 

 

こういう人、実に多いと思います。

文部科学省だか厚生労働省だか知りませんが、残りの11音階分のシャトルラン音源の開発が急がれます。急務です。

政府は新札発行などより、シャトルランの音源開発に血税を注ぐべきです!

週プレひこーる。は?

 

 

つまり何が言いたいかというと、SLB200、おすすめです。

 

ヤマハ YAMAHA サイレントベース SLB200

ヤマハ YAMAHA サイレントベース SLB200

 

 

 

 

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。 (角川スニーカー文庫)

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