【Giovanni Allevi】名古屋 レポのようなあれ
今年で4年目になりますが、ジョヴァンニ・アレヴィのコンサートに行ってきました。
Go With The Flow、Downtown、Prendimiなどなど定番ソングは勿論、新旧の名曲が聴けてかなり良いセットリストでした。
何より、PanicとVento D'Europaが聴けたのが本当にうれしかった。
Panicは曲名とは裏腹に休日の朝の静かーな気持ちにさせてくれる癒しの曲で、逆にVento D'Europaは孤独が音となって波のように押し寄せてくる曲。
PanicはともかくVento~はちょっとマイナーな曲っぽかったので非常に嬉しみである。
さて今年は演奏が始まる前にちょっとした小話があったんですが、それが結構印象的でした。
去る29年前、当時21歳のジョヴァンニがイタリアの劇場で初のコンサートを催した日のこと。このころはクラシックのレパートリーを弾いていました。
今でこそ5万人を動員するイタリアきってのスターですが、当時はなんと5人の観客しかいなかったそうで。あまりの客の少なさに、コンサートをやっていないと勘違いした人がドアを大きな音を立ててガシャンと閉めるなんてことも。見かねて、観客の1人である婦人が「こんな状況なら、演奏できなくても誰も責めないわ」と声をかけてくれたそうです。
前途が思いやられるスタートで、バッハを弾きながらとても惨めな気持ちになったとのこと。
しかし、その後ショパンを弾いたところ、先ほど声をかけてくれた婦人がそれを聴いて涙を流していたそうです。
その後コンサートが終わって、宿もなく、途方に暮れながら駅へ歩いていきました。駅ではその日使った楽譜を見ながら、一日のことを振り返ります。
そのとき喚起された感情が、「これが芸術だ」と言えるものだった、と。そんなエピソードでした。
それから時は立ち、自作曲で人気を獲得したジョヴァンニは大きな会場でコンサートを開き、前列にあの時の婦人が座っていることに気が付きます。
「ね、あなたはきっと人気になるってあの時言ったでしょう?」と。
かっけぇ。押しも押されもせぬイケメンである。
今では日本で言うと多分坂本龍一とかそのへんのレベルのスターのなんですけど、こんな過去もあってあれほど琴線に触れる音楽を作れるんだなあと思った次第です。
来年も来たら絶対行きますが、そろそろ夏以外に来てほしいなと思ったりします。
でも行く。