南極猿手帖

だいたい音楽の話(邦:洋=2:8くらい)をしている人です。ライブに月1~3回くらい行ってます。

ジャズファンはジャンルごと好きみたいな風潮

最近ジャズを聴く比率が上がってきてるんですが、ジャズ好きってなんか「ジャズというジャンル全体を愛してる」ことが前提になってる感があるなと。

もちろん個々にお気に入りのプレーヤーはいると思うんですが、特定のアーティストだけのファンってジャズファンには多くない気がします。「ジャズ詳しくないけど、チェット・ベイカーは20年来のファンでして」とかあんまり聞かなくないですか?

ジャズ好きを名乗る以上はジャズスタンダードは大方網羅、サッチモからデューク・エリントンコルトレーンを通ってマイルスは必修。以上を踏まえたうえで誰が好きか、みたいな感覚があって、ロック・ポップスと比べて敷居が高いのは確かだなあと。

もちろんそれは「同じ曲をみんなが演奏する」、つまりスタンダード曲が共有されているから起こる現象なんですけど、それって「誰が作曲したか」よりも「誰が演奏したか」の方が重要ということで、なんだか面白い文化だなーと思うわけです。作曲家の存在が弱いというか。

で、敷居が高いというとなんだか悪いイメージがありますけど、開放性の低いコミュニティはその分内部の結びつきも強くなるので、それはそれでアリだと思います。「ロック好き」を自称する人間はごまんといますけど、よくよく話を聞くとワンオクしか聴かないとか結構いますし。一方のジャズはなんとなくみんな全体像を共有しているので、ある程度安心して話ができるというか。

 

とはいえ、e.s.t以降のジャズはその文化から少しはみ出して、作曲家の存在が前より強くなりつつある気がします。e.s.t, GoGoPenguin,カマシ・ワシントン、ロバート・グラスパーなどなど、ジャズというジャンルは詳しくないけどそのアーティストは好きというのは十分ありえる状況ができつつあり、やっぱり今面白い音楽はジャズだなと思う雑記でした

 

枯葉

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