南極猿手帖

だいたい音楽の話(邦:洋=2:8くらい)をしている人です。ライブに月1~3回くらい行ってます。

【上原ひろみ】なんか憑いてるピアニストを間近で見た

実は上原ひろみ四日市公演に行ってきまして、なんか憑依している系ピアニストを至近距離で見られました。

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上原ひろみと言えばアンソニー・ジャクソンサイモン・フィリップスとのトリオ編成で怒涛のテクニックプレイを聴かせる、フュージョン寄りの技巧派ピアニストのイメージが強かったのですが、今回はソロピアノのシンプルなステージでした。ソロピアノのニューアルバム"The Spectrum"のツアーだったためです。まあ、ソロじゃなければ四日市の公演が実現することはなかったろうと思いますが。

 

音数もむやみに多くなく(あくまで他の作品と比べればですが)、上原ひろみ単体の魅力がしこたま味わえるコンサートでありました。

 

MCは「近くで塩ラーメンを食べたんですけどワンタン入りの方にしておけばよかったと後悔した」みたいな非常にふわっとした内容だったんですが、ピアノに座ってからの豹変ぶりがすごい。こち亀の本田さんかよって具合でした。

 

ニューアルバムの"The Spectrum"は「色」がテーマの作品だそうで、ステージもそれに合わせて色が変わる粋な演出あり。

 

"Yellow Wurlitzer Blues"でブルージィに決めてきたかと思えば、

表題曲の"The Spectrum"は性急なテンポが速いナンバーで、なんだかツェッペリンのアキレス最後の戦いみたいだったし、

ビートルズの"Blackbird"はメロウに、

"Whiteout"では寒々しい情景を克明に描写し、

ガーシュインの"Rhapsody In Blue"は20分を超える長尺でしたが息つく間もない怒涛の打鍵。

 

ピアノは全然弾けない自分みたいな人間でも音の輪郭がくっきりしてて圧倒されるステージでした。すごい強キャラ感。

 

ピアノソロでこんなに熱くなったのは初めてでして、是非もう一回観たいと思わせる人でした。

 

まだツアーやってんでしょうか?マジでおすすめです。

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