【辻井伸行】『神様のカルテ~辻井伸行 自作集』が人生で一番聴いたアルバムになってたかもしれない話
辻井伸行氏といえば国内外で活躍する、日本を代表するピアニスト。
盲目でありながら超絶技巧曲も弾きこなすまさにヴィルトゥオーソ。
来年のオリンピックの開会・閉会式のどっちかで出るんじゃないかと勝手に自分の脳内で有力視されている存在です。
で、クラシックには明るくないんですけど彼の弾くラ・カンパネラ(リスト)に感銘を受け、ほえーっとCDを漁るうちにオリジナル曲集を見つけたので何の気なしに聴いてみたところから始まります。
それがこれ。
元々、若干12歳だかそれくらいの年齢で書いた「ロックフェラーの天使の羽根」という曲が好きでした。
その曲も収録されていることもあり、この手の曲調を期待してアルバム全体聴いてみたのですが。
初聴時は正直なところピンとこないというか、期待外れだったのを覚えています。
というのもタイトルにもなっている「神様のカルテ」を始め、なんというか学校の合唱曲のような無害な感じの曲がほとんどを占めていたためです。
それこそ卒業式にでもかかりそうな春を感じさせる温かみのある曲が多いのですが、「この後こう展開していくんだろうなー」という予想通りに進むようなメロディや曲構成のものが多く、つまりは驚きもなければバリエーションも少ない、眠たいアルバムという印象が拭えなかったわけです。
これは聴きこむこともないだろうなーと思ったのを覚えています。
ですがそんな予想に反し、その「眠たいアルバム」であることがかえってこのアルバムの有用性を爆上げすることと相成りました。
というのも、毎日通勤で長大な時間を電車に揺られておりまして、帰宅時には30分間席に座れる区間があるんですが、いつもそこですーすー寝てるんですな。
電車はガタゴトうるさいのでノイズキャンセリングのイヤホンで眠りやすい音楽を聴きながら寝るのが習慣になっていて、そこにこのアルバムがかっちりはまったわけです。
棘の無いあたたかい演奏、曲調が快眠を導いてくる。
今まで聴いたどんなアルバムより眠れる。
なんならヒーリング系の音楽より眠れる。
これはいいと毎日、本当に毎日のように聴いてたら、寝ながらもどんどん耳になじんでいきました。徐徐に曲も覚えだし、お気に入りと言える1曲もできました。
それがこちら、"コルトナの朝" 。
辻井伸行 - コルトナの朝 (Nobuyuki Tsujii - A Morning in Cortona)
コルトナはイタリアの地名なんだそうで。
メロディがわかりやすいというのが最初の印象だったんですけど、どことなくノスタルジックで、早朝の閑散としながらも煌々とした景色を思わせる曲調が徐々に好きになっていきました。あと分析まではできないんですけど半音の使い方が上手い気がする。
この曲含め、彼の曲には特定の場所に行った際の印象を表現したものが多いんですけど、そのどれもが澄んだ雰囲気を持っていて、あーこの人みたいに物事を見られたらいいだろうなみたいな憧憬を覚えるくらい、綺麗で視界が霞む。汚れちゃったのは世界か自分の方か…
今まで一番聴いたアルバムを思い浮かべると、
RHCP "Stadium Arcadium"、The Cribs "Men's Needs, Women's Needs, Whatever"、Arctic Monkeys "Whatever People Say I Am, That's Not What I Am"、Nirvana "In Utero"、Radiohead "The Bends"とかが候補になりそうなんですけど、やっぱほぼ毎日聴いてると積み重なるもんで、実は人生で一番聴いてるの『神様のカルテ』なんじゃねえかみたいな話でした。神様のカルテ、映画見たことないんですけど
他のアルバムでいうと、オリジナル数曲も入ってるこれも良きだった。
タイトル:辻井伸行 印象派コレクション?テレビ東京「美の巨人たち」テーマ収録
- アーティスト: 辻井伸行
- 出版社/メーカー: avex CLASSICS
- 発売日: 2015/07/22
- メディア: CD
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辻井さんの音楽は正直自分の好みからは少し外れてるんですけど、クラシックの曲も含めるとほぼ毎日のように聴いてるから不思議。
1回コンサートにも行ってみたいと思う次第。
あとオリンピック出てください