Schroeder-Headz 千種文化小劇場2019.11.04。過去最高のライブだった
トム・ヨーク"The Eraser"が流れるのを聴きながら、「ああ、こういうの好きそうだなー」
と妙に納得しつつ開演を待っていたシュローダーヘッズの名古屋公演。果たして始まったライブは過去何度か観た中で1番良かったです。
今回はバイオリンを加えてのカルテットの編成。当日まで知らなかったんですが、10周年記念、かつニューアルバム発売前のメモリアルなライブだったようです。
ベースにおなじみ玉木正太郎さんがいました。エレキベースぶりっぶりだしアップライトも躍動感あるし前から好きなベーシストです。あとあれ、ノッてる時の首の振り方がフリーっぽい。
で、何がそんなに良かったかというと、まず千種文化小劇場という会場がすごい。ステージを全方向から客席が囲む構成で、ステージが1番低い位置にあるため全ての楽器が見下ろせるし、そもそも距離感が近い。レディオヘッドやベックなんかもやってたLive From Basementに近い雰囲気で高まる。
バイオリンを加えてのカルテットとは言ったものの、アコーディオンや名前も分からない謎の楽器を扱ったり、かなりレンジの広い奏者だったようで、音色もいつもより豊かでした。あと、ロックギタリストさながらにエフェクター踏んでてバイオリンの認識が少し変わった。
リズム隊はものっすごいグルーヴ奏でるし、渡辺シュンスケ氏の透明感あるピアノは時にジャジーに、時に叙情性溢れる演奏で隙が無い。
選曲は1枚目のアルバム以外からまんべんなくといった感じ。4枚目のアルバム"ハルシュラ"はジャズというよりニューエイジやイージーリスニングに近い内容だったんですが、それだけに今回のカルテット編成で奏でられる幅広い音飾を聴くと、風景がくっきり浮かんでくるようで素晴らしかった。A Day of Snowなどは特に雰囲気が出てよかった。
3枚目のアルバム"特異点"はかなりモダンなインストアルバムという手触りの作品だったんですが、そこからの選曲はバンドサウンドでの迫力がとんでもなかった。特に"Hype"。ロックのライブでもここまでドスドス響いてくることないってくらい力強かった。かように音楽の激しさというのは単純な音のデカさじゃないんだなあと実感。
"Blue Bird"や"Wildthing's Arm"など、2枚目(なんで遡りながら言及してるんだろう)"Synesthesia"からの曲はしっとり、メロウだけど壮大で、これも劇場の雰囲気に合ってた。2枚目までのシュローダーヘッズのアルバムはそれ以降より都会的な香りがして、これはこれで好き。
最後は"手紙が届けてくれたもの"で締め。この曲はもはやジャズでもなんでもないですが、メロディがとても良いポップス。そろそろ主題歌として使われた映画ハローグッバイを観ないとなあと思った。
さて、気分良く帰ろうとしたところ、ニューアルバムの予約で本人直筆のミニサインが貰えると聞いたのでまんまと申し込んできました。サイン、実はもう2枚くらい貰ってるんですが。いいんだ、応援の意味も込めてのお布施だ。
よし帰ろうと思ったら年明けのシンシュンシュンチャンショーというライブのお知らせが。
スムーズにお金が流れ出ていく。
...なにこのレジ横のガム欲しくなるみたいな売り方。見事術中じゃねえかよ。
次回、名古屋ell.FITSALLの年明けライブレポ。絶対見てくれよな。
..あれ、SUM 41のライブの翌日では???