10年代の顔は誰だったのか、みたいな話
こないだTHE 1975が「アークティック・モンキーズが00年代だとすると、10年代は僕ら」と発言していた記事を読んで「!?」となったのですが、そういえば10年代って「いなかったかもなぁ...」と思いました。
- アーティスト: THE 1975,マシュー・ヒーリー,ジョージ・ダニエル,ロス・マクドナルド,アダム・ハン
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何がいなかったかと言うと、この10年の「顔」と言えるようなバンドが、です。
00年代といえばストロークス、ホワイト・ストライプス、イギリスではリバティーンズ、カサビアン、そしてなんといってもアークティック・モンキーズが現れた年代。(コールドプレイとミューズはちょっと時期が微妙なんで...)
別に彼らが他のバンドより優れているとか言うつもりはないんですが、なんというか「俺らの時代のためのバンドだ」という感じが確かにありました。
イギリスで言えば00年代はやっぱりアークティック・モンキーズの世代ということになるのは頷けるのですが、そういえば10年代に入ってから同じような現象は起きてない気がします。
もちろん、良いバンドがいなかったわけではなく、ジェイク・バグ、ブロッサムズ、キャットフィッシュ、ストライプス、テンプルズ、テーム・インパラ、ロイヤル・ブラッド、ストラッツ 、THE 1975、レモン・ツイッグスなどなど(ほとんどイギリスだ...)いくつも思いつくのですが、はて代表選手といえば誰だろうとなってしまう時点でやっぱり「世代の顔」はいなかったのかもと思ってしまいます。
別に世代代表だから1番良いバンドというわけではないのですが、好き嫌いは置いておいて例えばイギリスで90sといったらオアシスかレディオヘッドあたりになるんじゃないでしょうか。
80sならスミス、70sならピストルズみたいにとりあえず代表選手っぽい何かはいたんですねー。
だからなんだと言うわけではないんですが、こういう話の結論って大抵「だから今は音楽の質が下がっている」みたいなところに落ち着きがちです。
でも実際変わったのはクリエイター側ではなくオーディエンス側だと思われます。ネットの普及で消費の単位がマスから個人に移ったなんてのはよく言われますが、もうその世代全体で人気を獲得するのは難しくなったのは確かなのでは。
いやいやテイラー・スウィフトとか超人気じゃんと言われそうですが、そこはもう素直にロックというジャンルの凋落なんでしょうねー。今や世代の声はスミスでもニルヴァーナでもなく、ケンドリック・ラマーやチャイルディッシュ・ガンビーノなんでしょう。今の時代、ネットで拡散されやすく、memeがmemeを生むようなクリエイターが勝ちな時代なので、硬派なバンドほどSNSノリしないというか。なんか寂しい。
そんな感じで10年代も残すところあと1年になりましたが、このまま20年代に突入するのか、最後にとんでもないのが出てくるのか、楽しみなところであります。
なんだか散々な振り返りになってしまいましたが、個人的にはジェイク・バグ、テンプルズがどストライク、レモン・ツイッグスに驚かされ、ストラッツ が楽しく、ロイヤル・ブラッドが熱い良い年代だったと思います。ロック以外だとGogo Penguinなどなどe.s.tの後進が出てきてそこもナイス。
でも、これは完全にファンの色眼鏡かかってると思うんですけど、00年代がアークティック・モンキーズの年代として、10年代もアークティック・モンキーズだったんじゃないかと思うんですよねぇ。なぜなら、00年代と10年代で全く違う成功を収めているから。特にAMは10年代の名盤として必ず名前が挙がるはず。実はアークティック・モンキーズって、勢いの長続き具合がロック史上でも稀なくらいすごいのです。
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さて、いつも通りとりとめのない雑記になりましたが、こんなところで。
...そういえばビバ・ブラザーとダーリアも10年代だったなー、今頃、みんな、なにしているのかにゃ。