【Black Rebel Motorcycle Club】BRMC 轟音と静謐とサイケな2019.5.1大阪Shangri-Laレポ
さて令和最初のライブはBRMCの大阪公演でした。曲順めちゃくちゃですが一応レポみたいなあれです。
5/1、会場へ向かいながら「ASKAの翌日にBRMC来てる奴はきっとおるまいな...」と謎のレンジの広さに我ながら恐れ入っていたところ、今回の会場が視界に入ってきました。
そして通り過ぎました。
うん?と思って振り向きざま看板を確認すると、たしかに今回の会場名であるところのShangri-Laの文字が視認できます。
小さい。
小洒落た雑貨でも売っていそうな規模の箱でしたがどうやらここで間違いないようだったんで、開場後暫くして入場。ドリンク代が600円でした。先に500円準備してたので慌てて足す。
ジンジャーエールをあおりつつほえーっと待っている間も人が次々と入場してきて一気に超満員に。観客が多いのか会場が狭いのかそのどちらもなのかわかわかりませんが、程よく窮屈です。もう入らないよぉ...
果たして開演時間から20分ほど押して登場。3人とも渋い。ピーター・ヘイズに至ってはゴッドファーザーⅡ感すら感じる。
一曲目は最新作からLittle Thing Gone Wild。しょっぱなからすげえ轟音で、「あ、これうるさいタイプのバンドだ!」と気づく。
King of Bonesはバンドの新機軸とも言える曲で、サイケと分厚い音にディスコみたいなテケテケサウンドが気持ちいい曲。薄々気づいてましたけどあのテケテケはベースで弾いてたわけじゃなかったんですねぇ。さりとてこの曲でようやくベース音のとんでもない分厚さに気づきます。思い出したのはロイヤル・ブラッドのそれ。ベース音というより、主軸になってるくらいの分厚さなんですけど、それでいてたまにハイポジションでも弾くので心地よい。
5thより、Beat The Devil's Tattoo。ここからの盛り上がりが凄まじかった。この曲、youtubeに上がってた映像だとエレキで演奏してたんですけど、ハコが小さいからかスタジオ音源と同じくアコギで弾きだしたんですよ。めちゃくちゃゾクゾクした。I thread the needle through, you beat the devil's tattooのところをいっしょに歌う。ちなみにロバートがアコギ、ピーターがエレキだったのでベースは多分音響?(オルガン?)の方で出してました。
Ain't No Easy Way。ライブでやったら楽しいだろうなと思ってたので嬉しかった。アコギのガチャガチャした音が心地よい。こういう生っぽい音の方がエネルギー感じることってありますよねぇ。アリガトウゴザイマスと日本語で礼。
「昨日(横浜公演)にも来た人いる?」と聞くと何人か手を挙げ、ちょっとはにかみながら「ありがとう」と返す一幕あり。ロバートはなんか、クールながらも人が良さそうな感じ。ピーターはゴッドファーザー。
名曲Berlin。ここでついに沸騰と相成ります。歓声すごかった。ブラックでクールなのに熱い。Suicide is easy what happened to the revolution!という弩級にブラックなフレーズをみんなで叫ぶ。楽しいが異様だ...。
そのままパンクなノリでConscience Killer。あまりみんなで合唱ってタイプのバンドとは思ってなかったんで、イントロのオーオーオオオーオをみんなでオーオーオオオーオできたときその会場になにかが生まれた(儀式じみた高揚感と二酸化炭素だと思われる)。Conscience Killerのキラーの部分もキイィィィィラアァァァア!!と死ぬほど叫ぶ。このバンド、物騒な言葉多くないですか。
ロバートとリアが一旦退場し、ピーターがアコギ一本でHowl収録のDevil's Waitingを披露。一転して静謐な空間ができ、めちゃくちゃ繊細な音と歌声が響く。これがめちゃくちゃ良くて、ギターの音がすごく綺麗に響く会場だったうえ思ってたよりずっと歌唱力高かったので普通に聞き入ってしまった。
今度はロバートが戻ってきてピーターがログアウト。ロバートMCがあって、聞き取れなかった部分も多かったんで想像で補うと、「日本でプレイすると特別なことがあって、いつも不思議な感じするんだけど…曲がそのままの意味で伝わるような感じで、こそこそっと耳元で囁くように歌うような変な感覚なんだけど、ありがたいと思ってて…レアな国なんだ」みたいな感じでした。※これほんとにあんまり聞き取れなかったんで間違ってる部分多いと思いますが、まあなんか要するに日本でプレイすると特別な気分になれてありがたいみたいな感じやね!チュッティ!https://www.youtube.com/watch?v=d1PLbWVYYDw
同様にアコギで始まったのが新作収録のEcho。言ってしまうと個人的ハイライトがここで、元々ベースで演奏されていたフレーズがアコギに置き換えられたことでより歌モノとしての魅力が剥き出しになり、ものすごい名曲だということを思い出します。ちょっと面白かったのが、サビの部分だけピーターがひょいっと現れていっしょにハモって、サビが終わったら帰ってくというやり方だったんですけど、そのハーモニーがレノン=マッカートニーかよってくらいはまってて、なんかこう宗教的な美しさを感じてしまうまでありました。
次回来日が実現したらアコースティックライブでも見たいなーと思った次第です。
バンドが戻ってSpecter At The FeastよりTeenage Disease。I'd rather DIEEEEEを噛み付くように歌い上げ、客もそこに乗っかる。さっきまでの静かな空間はどこへ。
続いてぶっといベースラインが印象的なStop。セカンドからの曲はこれくらいだったかな?
666 Conducer。結構静かめの曲なんで、これを演奏しても大丈夫と思ってもらえたのがなんだか嬉しい。
最後の方は1stからの選曲がかなり多かったんですけど、こうしてライブで見ると1stアルバムってほんとにサイケの要素が強かったんだなーと思いました。それがかなりの轟音で奏でられるので、ゆらゆらグラグラ揺れてるだけでトリップしたような気分になる。Awake、White Palms、Riflesなど、極上のサイケにバリバリした電気的な音が乗って押し寄せてくる。それにしても改めて1stの曲を生で聴くと、BRMCは00年代のガレージロックリヴァイヴァル(ギターロックブーム)とは何にも関係ないところから出てきたんだなー、と認識を改めることになりました。でもそれを貫いてきたからこそ、あの時代のバンドとしては驚くほど着実に歩んでこれたのではないかと思う次第です。
個人的に大好きなRed Eyes And Tearsを聴けたのはポイント高い。サイケなんだけどダンサブルでもある。間奏の部分のチョーキングがめちゃくちゃダークでかっこいい。
そして、同じく1stからSread Your Love。これは鉄板。ベースラインとリズムがぴょんぴょん跳ねるために作られたようなもんで、Spread your love like a fever!という死ぬほど分かりやすいフレーズを歌い上げる。
ラストは、まあそうだよねって感じなんですがWhatever Happened To My Rock'n'rollで幕引き。みんな余力はここで出し切ろうという勢いで跳ねて、歌う。
ひょっとしたらそうかなと思ってたんですけど、アンコールもなく終了。しかしエネルギーは使い果たした。良いライブでした。
さて。
BRMCは音源ばっか聴いてたバンドなので、メンバーの編成とかわかってなかったんですけど、今回驚いたのがピーターとロバートが入れ替わり立ち替わりボーカルを取ること、そして2人の声がめちゃくちゃ似てること。正直言うと全部同じ人の声だと思ってた...。ツインボーカルってレノン&マッカートニーやピート&カールのように違った声質が合わさってうまくいくことが多い気がするんですけど、この2人は兄弟のように同系統の歌声がカッチリはまってて、こんなことってあんのかー、と感心しましたね。あと、wikiには担当楽器がはっきりわけて書かれてるんですけど、2人ともギター弾くし曲によって楽器持ち替えるしで、そのへんもレノン=マッカートニーを思い出したところ。以外に器用なんだな。
そうそう、ドラムのリアは今回一言も喋らず、ひたすらワイルドに叩き続けてました。姉御、かっこいい...。
あと聴きながら思ったことの雑記なんですけど、サイケと轟音って相性いいんでしょうかね。サイケっぽいサウンドが大音量で増幅されると陶酔感が増す感じがするんですけど、これテンプルズのライブに行った時も思ったことでして。サイケで轟音って、それまんまシューゲイザーなんですけど、現代においてもはやサイケ=シューゲイザーみたいなところがあるんでしょうかね。わからん。
さて、横浜がどんなだったかはわかんないので知ってる人教えて欲しいんですけど、少なくとも今回の反応を見るに次回もアルバム出したら来てくれるんじゃないかなと思いました。現場からは以上です。
※Shangri-Laは小さいけどとてもいいライブハウスです!香川県みたいな感じ!
- アーティスト: Black Rebel Motorcycle Club
- 出版社/メーカー: Vagrant Records
- 発売日: 2018/01/12
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