【Black Rebel Motorcycle Club】BRMCを自分なりにまとめてみた
ブラック・レーベル・モーターサイクル・クラブ(めんどくさいので以下BRMC)が4/30、5/1と2013年ぶりの来日公演を行います。それに際して彼らのサウンドとかアルバムとか曲とかの話です。
ブラック・レーベル・モーターサイクル・クラブと、そのサウンド
このBRMCという人達、自分にとっては変な距離感を保ってきたバンドでして、
「アルバムは聴きこんでこなかったけど、スタンスが死ぬほど硬派だから好き」という意味わからん位置づけだったのです。
一見してキラキラ要素の無いガレージ・ロックであることはわかるんですけど、アルバム全体で聴いてみると意外なほどに曲が分かりづらい。でもその姿勢をデビュー時から全く変えず、ぶれず、それでいてクオリティを下げない、そんな姿勢が他のどのバンドより好感持てる。
硬派で、ハードボイルドで、地味。バンド名が検索しづらい。
そんなBRMC、この度ライブに行くことになったんで改めてアルバムを聴いてみて、自分なりに思った特徴なんかをまとめてみました。あと各アルバムの雑感とおすすめ曲も書いたんでよしなにー。
◆わかりやすいようでわかりにくい
Whatever Happened To My Rockn' Rollみたいなキラー・チューンはYou Sufferくらいの早さで好きになれるんですけど、アルバム全体で聴くとどうも一筋縄ではいかない。
ガレージ、パンク、フォーク系の影響は聴けばわかるんですけど、実は大きな要素をなしているのがシューゲイザーとサイケデリック系の影響だと思われ。ガレージロックバンドにしては妙にスケールのでかい、空間的な音使いをするなぁというのと、あとポップに仕上げすぎないところ、このへんは意図的にやってると思います。あと多分ポストパンクが好き。
◆アコースティックも大きな要素
ビリビリした音圧高いサウンドが特徴でありながら、一方でデビュー時からアコギも大きな要素。実はフォーク方面の影響も強いと思われます。3rdアルバムHowlに顕著。
◆ベースの存在感が強い
適当に音源に合わせてギターとかベース弾いてみたんですけど、パンク系にありがちなパワーコードばかりで構成されてるわけじゃなくて、めちゃめちゃ骨太なベースサウンドが土台になってることがわかる。
さて以下、
各アルバムの雑感とおすすめ曲。
■B.R.M.C(1st)
- アーティスト: ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 2002/03/16
- メディア: CD
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1stアルバム。冒頭の"Love Burns"から3曲目の"Whatever Happened To My Rockn' Roll"までキラー・チューンが続く。骨太ロックにサイケな音作りが混じった名盤。知らない人はとりあえずこのアルバムから聴くといいです。2000年代初期という時代柄、ガレージロックリバイバルのバンドっぽく思われてた節があるけど、聴き直してみるとこの頃から相当捻くれている。
日本盤のタイトル、「ビートルズがやってくる!ヤァ!ヤァ!ヤァ!」みたいになっちゃってんじゃねぇかよ。
❖曲
"Whatever Happened To My Rockn' Roll (Punk Song)":ちょっと気が狂ったのかな?みたいな歪ませまくったベースラインに始まり、ものすごい音圧で駆け抜ける疾走感ある曲。曲名の通りパンクなんだけどヘヴィでもあるのでちょっとモーターヘッドみたいでもある。BRMCのアンセム。
Black Rebel Motorcycle Club - What Ever Happened To My Rock And Roll (Punk Song)
"Love Burns":1stの冒頭を飾る曲。イントロのアコギにドスドス入ってくるドラム、キャッチーなコーラスで即効いっぱいちゅき♡になること必至。
Black Rebel Motorcycle Club - Love Burns
"Red Eyes And Tears":初めて聞いた時、このバンドを気に入る決定打になった曲。サイケでブラックなテイストが捻くれ少年の心にぶっ刺さった。
Black Rebel Motorcycle Club - Red Eyes and Tears
■Take Them On, On Your Own(2nd)
ノイズバリバリの音圧高いロックな佳曲を収録した2nd。ジザメリとか思い出すレベル。歪んだベースの存在感が最も大きいアルバムでもあります。後半の曲がかなり覚えにくいが、ヒリヒリした感触が好きな人、ローファイ好きにはかなり刺さると思われ。
この時期特有のCCCDだったりする点だけがクソ。
❖曲
"Six Barrel Shotgun":BRMC特有のビリビリしたロックサウンドが存分に味わえる疾走感満載の佳曲。
Black Rebel Motorcycle Club - Six Barrel Shotgun (Extended Version)
We're All In Love:こちらもストレートな骨太ロック。途中のC→G→D→Aのとことかベース弾くと滅茶苦茶楽しい。
Black Rebel Motorcycle Club - We're All in Love
Suddenly:イギリスのサイケ系みたいな音作りに似てる気がする。この曲は歪んでないけどベースの心地がとても良い。
Black Rebel Motorcycle Club Suddenly
■Howl(3rd)
異色のアルバム。というのも、トラディショナルな香りすらするアコースティックアルバムなのです。派手さは皆無で、60年代のアルバムでも不思議ではない作り。ハーモニカやオルガンの音色がまたノスタルジックな雰囲気を添えています。
地味ですがシンプルなためか楽曲自体の良さは頭ひとつ抜けていて、個人的には最高傑作といっても過言ではないかも。
❖曲
"Ain't No Easy Way":無骨なアコギサウンドが60年代のフォークシーンにあっても不思議じゃない。
Black Rebel Motorcycle Club - Ain't No Easy Way (Dirty Version)
"Promise":哀愁感じる、温かい楽曲。
"Weight of The World":クールなギターと特徴的なベースラインの絡みがいい。
Black Rebel Motorcycle Club - Weight of the World
■Baby 81(4th)
- アーティスト: ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2007/05/23
- メディア: CD
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ストレートなロック志向のアルバム。名曲"Berlin"を収録。日本版のジャケットを見ればわかるように、エレキ主体で曲もわかりやすいものが多い。サイケ成分も控えめで、聴きやすいと思うので、1stの次に聴くといいかも。"American X"みたいな大作は最初たるかったけど、ライブ映像みたら好きになった。
❖曲
Berlin:ガレージでハードボイルドでクール。Suicide is easyというとんでもない歌詞が連発される。
Black Rebel Motorcycle Club - Berlin (Tess Angus Edit)
"Weapon of Choice":BRMCで一番わかりやすくかっこいいパンクな曲。
Black Rebel Motorcycle Club - Weapon Of Choice (Video - U.S Version)
"Not What You Wanted":さわやかでノスタルジックな印象のちょっと珍しい曲。ジョン・レノンのソロみたいな古き良きロックの香り。
It's Not What You Wanted - Black Rebel Motorcycle Club
■Beat The Devil's Tattoo(5th)
- アーティスト: Black Rebel Motorcycle Club
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 2010/03/16
- メディア: CD
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アコースティック成分とエレキ成分半々くらいのBRMCらしさをごった煮したような作品。ヘヴィネスでいうと一番かもしれない。呪術的とも言えるような怪しげな雰囲気、重い音作り、とにかくブラック。ミンティアで言うとドライハード。一番ドライハードなのは"River Styx"って曲かも。からい。
❖曲
"Beat The Devil's Tattoo":アコースティックの呪術的なリフで始まり、そこにラウドなギターが載る、アルバムを象徴するような曲。
Black Rebel Motorcycle Club Beat the Devil's Tattoo Lyrics
"Conscience Killer":善良な殺人者、みたいな意味でしょうか。性急なひねくれロックでとても良き。
Black Rebel Motorcycle Club - Conscience Killer (Live at Area 4 Festival 2010)
"Mama Taught Me Better":めちゃくちゃヘヴィなロックンロールナンバー。アアアアアー、アアアアー、アアア、が楽しい。
Black Rebel Motorcycle Club - Mama Taught Me Better
■Specter At The Feast(6th)
- アーティスト: ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
- 発売日: 2013/03/20
- メディア: CD
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彼らの作品で最も凝っていて、最もわかりにくい、最も地味なアルバム。初めて聴いたときは「テンポ遅え。なんか静かだし。ていうか地味。え、地味」と思った。ただし聴きこんでみると、一番世界観が深いアルバム。音作りが一気にスケールの大きい、壮大なものになった。全編通して聴くと一本の映画を観たような気分に。タイトルの意味はわからんけどかっこよすぎる。よくセールで叩き売りされているのが気に入らない。聴きこむと最高傑作に思えるかも。一見ロック成分低めですが"Rival"や"Teenage Disease"は噛みつくようなボーカルが心地良いロック曲です。Teenage Diseaseって中二病のこと…?
❖曲
"Let The Day Begin":バンドのスケールが大きくなったことを感じさせる曲。でかい会場でも映えそうな、開放感あるサウンド。
BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB - "Let the Day Begin" (Live In Paris)
"Returning":人類滅亡しかけて、残った数少ない人たちが抵抗勢力として戦って、多大な犠牲を出し、傷だらけになりながらも遂に勝利を手中にしてザイオンに帰るときに流れるときのような曲。こいつ何言ってんの。
BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB - "Returning" (Official Lyric Video)
Funny Games:ヘヴィなサウンドから一転爽快感あるコーラスが気持ちいい曲。
Black Rebel Motorcycle Club - Funny Games [Audio Stream]
■Wrong Creatures(7th)
現時点の最新作。曲の明暗(長・短)がはっきりしない曲が多い印象。前作の方向性を引き継ぎつつ、サウンド自体はロックに寄った。リヴァーヴがかかった音作りだからか、地下にある広い空間で鳴らしているような印象。このアルバムを聴いて初めて、彼らが相当シューゲイザー(特に"Ninth Configuration")に影響されていることを意識しました。全体的に大作志向ですが、ポストパンクっぽい雰囲気がめちゃくちゃ気に入りました。
❖曲
"DFF":怪しい雰囲気とドラムサウンドがPiLのFlowers Of Romanceっぽい。
"King of Bones":ディスコみたいなベースサウンドが心地良いサイケな曲。
Black Rebel Motorcycle Club - King Of Bones
"Echo":優しいベースリフがリードする壮大な曲。メロディはBRCM史上でも最もポップだが、後半は神々しさすら感じる。雰囲気的には前作に近いかも。
Black Rebel Motorcycle Club - Echo
"Little Thing Gone Wild":ハ、ハードボイルドーーー!!と叫んでしまう、タバコの匂いがしてくるような曲。
Black Rebel Motorcycle Club - Little Thing Gone Wild
記事書くのめっちゃ時間かかったけど聴きながら曲の感触を文字に起こすのめっちゃ楽しい。5月の頭にはライブの感想も書きます。
【The Raconteurs赤坂4/25レポ】ラカンターズこんなに好きだったっけ、みたいな熱狂
(我ながら前書きがうざいんで■まで飛ばしていただいてOKです)
結局、ザ・ラカンターズのチケットを取ってしまいました。
だって、ジャック・ホワイトだ。
2000年代のバンドでホワイト・ストライプスが一番好きなわけではないし、ソロになってからもそこまで熱心に追いかけてきたわけではない。
それでも、00年代以降のロックにずっと触れてきた人間にとっては、アイコンとしてこの上ない存在であることは確かなわけで。00年代以降、ロックを体現する人物を1人だけ挙げるとしたらこの人になるんじゃないでしょうか。そのくらい絶対的で、徹底した存在。え信者怖...
そんなわけで、チケットを買ったわけです。高え...
さてー。まずなぜ今ラカンターズなのかという話なんですが、それはまあ単純に6月にアルバムが出るからなんでしょうけど、どう見ても来日に積極的ではなさそうなジャック・ホワイトがラカンターズであっさり来日を決めたのはなんか納得いくところがあります。
ラカンターズでのジャックはボーカリストであり、ギタリストでもあり、いちバンドメンバーになれる場です。同じくソロでの活動も経験しているブレンダンと2人でフロントマンを張れる点も大きいと思いますが、自分だけのソロやスーパーグループのデッド・ウェザーよりも幾分か気も楽に活動できてるような印象です。勝手な推測ですけど。
そんなわけで、ひっさしぶりの日本に来るにはなんとなくぴったりなバンドだなと思った次第です。
まあ、とにかくジャック・ホワイトを観られる千載一遇のチャンス。例によってド平日にぶつけてきやがったわけですが、取りました。4/25は2日目の公演に当たります。以下、そのレポ。
■しつこい前置きはさておき、ライブの話。
事前に聞いていた通り、スマホは専用のポーチ(※)を渡され、ライブ終了後まで開けられないようになります。もっと未来ガジェット的な物を期待してたんですけど意外にアナログな代物で、帰りに係員に1人ずつ開けてもらうというやり方。当然ですが帰りがけには長蛇の列が出来上がるんで帰り急ぐ人はささっと帰ってしまうことをお勧めします。
※ポーチ↓。生姜をすりおろす器具ではない。
で、ひっさびさにスマホを全く気にせずライブ見たんですけど、これいいなと思いましたね。最初から触れないとわかってるとスマホに気を散らされることなく、集中して観れる。次回のライブでも電源切っちゃおうかなと思います。
開演前にはガレージでパンクな曲がかかりまくってました。わかったのディープ・パープルのSpeed Kingくらいでしたが。
さて、19時開演のところを7-8分くらい押してメンバーが出てきましたんですけど、もう開演から凄まじかった。みんなジャック・ホワイトに会えなかった10年あまりのあれこれが一気に噴出したかのような盛り上がり。温度変化激しすぎて雲できるんじゃねえかと思いました。いや、本当熱気が目に見えてた。
一曲目はSalute Your Salution。たしかに勢いある曲ですけどここまで盛り上がると思わなかった。みんなピョンピョン飛び跳ね、腕を上げ、首を振り...と、完全に場を制圧。ジャックがソロを引き出すと、あの異様に音圧高い音色にやられ、歓声が上がる。早くも来てよかったなと思う。ちょれえ…
今回、新曲は5,6曲くらいやってたんですけど、掛け値無しに全部良かったです。
特にSunday DriverはYouTubeですでに公開されていたこともあり、新曲といえどもう聴き慣れたもの。あのリフはなあ、そりゃ勝ちよ...ザクザクしたリフ、心地良い。
アコギに持ち替えて、Old Enough。アルバムではトラディショナルな雰囲気の曲でしたが、牧歌的な印象は薄れとにかく気分が高まる楽しい曲になってました。ジャックとブレンダンのコーラスがとてもはまってる。You look pretty in your fancy dress...♪
Level。最初のパン、ポン、パン、ポンのとこ、生で歌うんかいとニヤニヤした。
そういえば、新曲前に「うるさい曲と静かな曲続くけどオッケー?」みたいな(すいませんほとんど聞き取れなかった。誰か教えて)ことを話した後、「次はこんな感じ」っつってチョーキングを多分に含んだフレーズをジャックがエレキで弾く。続いてブレンダンが「見てて」と同じフレーズを弾こうとするんですけど、アコギだからチョーキングできず弾けない...という一幕があり笑いが起こる。このネタMCの鉄板なんだろうなぁ。
さてこのバンド、どの曲でも見てて飽きないんですよねぇ。次に何が飛び出してくるんだろうと、目が離せなくなる。ラカンターズの特徴のひとつとして、リズムパターンが面白いってのと、そこに重なるリフが最強ってのがあるんですけど、ライブだとCD音源より拡張されてパワーアップして、迫力も増し増しで楽しい。
ギターからそんな音色出るんだーみたいなフレーズがポンポン出てくるし、勢いが凄まじいのに実は細部まで凝ってるようでもある。
気づくと、あれ、自分こんなにラカンターズ好きだっけ?と不思議な気分になってました。アルバム買った当時はものすごい聴き込んでたわけでもなかったんですけど、謎だ。
あと普段そんな思わないんですけど、見てるとすげえギター弾きたくなってくる。テクニカルな見せつける類ではなくではなく、ひたすら楽しいギターミュージックだからか。
本編最後の曲はHands。ファーストアルバムの二曲目。間奏で入ってくるファルセットのフッフーゥフーゥ⤴︎ の部分をみんなで歌う。間奏のブリッジミュートのとこ、ワクワクするよねぇ。
さて一旦本編は締め。スタッフがチューニングを施し、準備が整うと、すっと1人出てきたのはベースのジャック・ローレンス。なんか図書館にいそうなおばちゃんっぽくてかわいいなぁと思ってたんですけど、他のメンバーが出てくるまで約1分間、ローレンス兄貴と観客が拍手し合うなぞのほっこりタイムがあってよくわからんがめっちゃ笑った。
他のメンバーもその後ステージに帰ってきます。
今回アンコールめちゃくちゃ長くて、本編終了はあれただの中締めだったんじゃねえの?というくらいの長さでした。実際40-50分くらいあったんじゃないかな。それアンコールって言うのか。
Broken Boy Soldier、Hey Gip、Top Yourself、Steady As She Go、Now That You're Gone、You Don't Understand Me、Blue Veins、Carolina Dramaみたいな流れだったと思います。あと新曲もあったかな?
まずBroken Boy Soldierはラカンターズお得意のエスニックな香りがドスドス迫ってくる名曲なんですけど、カチャカチャ鳴るドラムとリズムチェンジするフレーズで嫌でも体を揺すられる。楽しい!
Hey Gypはドノヴァンのカバー。ドラムのリズムパターンが面白く、流れるような早口の歌詞ですんごいクールに仕上がってる。
Top Yourselfはスライドギターが気持ちいい曲。Top Yourself!と合唱する場面があったんですけど、これってそんなみんなで歌う感じの曲だっけ?と訝しみながらも普通に歌い揃ってて笑う。Top Oneselfって自殺するって意味なの本当ですか...知らんけど楽しい!
そんで満を持してSteady As She Goes。イントロのフレーズがツインギターになってて、うわっ!憎いアレンジー!フゥー!となる。この曲はほぼアンセムと化しているのでどこを切り取っても滾る。本当にただただシンプルな四つのコード鳴らしてるだけなんですけど、それで文字通り踊らされるわけで、これがロックだなと実感することしきり。最後には右側の客がSteady As She Goesを歌って、左側の客がAre you steady now?と返すように指示されると、我々観客大喜びで合唱しだす。楽しい!
正直、これで終わりかなー?と思ってたんで、Now That You're Goneが続いた時は驚きました。この曲、気怠げかフレーズと哀愁漂う雰囲気が同居するちょっと変わった曲なんですよね。
そんでそんで、個人的にこれは聴きたいと思ってて、でもここまでやらなかったら曲は無しかーと思ってたYou Don't Understand Meが始まって高まる高まる。鎮静剤くれ。みんなもおーっと歓声をあげてたんで、待ってたんでしょうねぇ。日本人絶対あの曲好きだよね。ちなみに今回、この曲と新曲の2曲、ジャックがピアノ弾いてた。
その後Blue Veinsで一気にブルージィな雰囲気に。あぁ、この手のギターもお得意よなーと哀愁に浸りつつ思う。どうでもいいけどBlue Veinsでステージライトがずっと緑色だったのは何故なんだろう。
最後は「ありがとう、東京!今回日本に来れたのは僕にとってすごい大きかったよ!」と言って始まったCarolina Drama。最後の歌詞を野々村竜太郎よろしく耳に手をやり観客に歌わせようとしますが流石に歌える人おらず。多分本人もわかってやってるっぽく、笑いながらマイクに戻りました。
なんかやっぱりジャック・ホワイトのことばっか書いてしまったんですけど、実はブレンダンのギターとボーカルも好きだったんでしっかり見てました。ボーカルスタイル含め、クラシックロックっぽさを一番体現してたのは彼だったかも。何よりバンド全体の一体感が凄まじいため、これほどの迫力が出るわけで。万感の思いで目に焼き付けました。スマホないからね。
そう言えばネタバレされないようにロキノンの初日レポ記事終わるまで読まなかったんですけど、どうも2日間のセトリかなり違ったみたいですねー?
ファンへの心遣いか、実験してみたのか、単に2日同じ曲やるのがつまらないからなのか知らないんですけど、そのどれであっても嬉しい。一公演ずつを大事にしていることがわかるから。でも1日目にしかやらなかったConsoler of the Lonely聴きたかった...
また今回嬉しかったのが、ジャックが普通に楽しそうにギター弾いて、気持ち良さそうに歌ってたこと。正直日本の観客とは相性良くないんじゃないかと思ってたんですけど、これまでの空白がなかったかのように良い雰囲気が流れてて安心しました。
そうそう、一番最後なんですけど、ジャック・ホワイトが帰りがけにSee you soon!って言ったんですよ。え、マジ?本当?soon?あんたのsoon10年くらいじゃないだろうな?と思いつつ、なんだか今日のライブの手応えを見てると本当にそのうちあるんじゃないかと思ってしまう、そんなステージなのでした。
- アーティスト: Raconteurs
- 出版社/メーカー: Warner Bros / Wea
- 発売日: 2008/07/01
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終末期のアルバムが最高に好き、みたいな話
バンドって突然解散する場合もあれば、本人たちが「あぁそろそろ終わりなんだろうな」って自覚してるような場合もあるじゃないですか。
原因としては、メンバーの加齢だったり音楽性の違いだったり普通に仲悪くなってきたり、いろいろ蓄積してきたものがあるんでしょう。
で、後者の場合(解散や活動休止を自覚している場合)なんですけど、その時期に作られたアルバムがめちゃくちゃ良い味出すことがあるんですよ。なんというか、「終末期」に漂う哀愁みたいなものがぷんぷん出てて沁みる。いわゆるわびさび(wabi-sabi)じゃないですけど、「終わりがあるから美しい そんなの分かりたくもないよ(amazarashi)」みたいな感じです。何言ってんの。
以下、そういう「終わりかけ期」に作られた終末感漂うアルバムです。
実質最後のスタジオアルバム。なんというか、最後の思い出作りかのような雰囲気を感じ取ってしまうが、歌詞にはやっぱり当時のギスギス感が反映されたようなものも多い。Octopus Gardenとか。Golden Slumberからの盛り上がりは、まるで映画の締めくくりのよう。
Golden Slumbers / Carry That Weight / The End
◆THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『サブリナ・ヘヴン』『サブリナ・ノー・ヘヴン』
- アーティスト: THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
- 出版社/メーカー: Universal Music LLC
- 発売日: 2005/07/01
- メディア: MP3 ダウンロード
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- アーティスト: THEE MICHELLE GUN ELEPHANT,YUSUKE CHIBA
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2003/06/21
- メディア: CD
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終末期の味と言えばミッシェル。この2枚(+ロデオ・タンデム・ビート・スペクター)に漂う「あぁ…駄目だわこれ世界終わるわ…」みたいな感じがたまらない。ジプシー・サンディーの「どこかに本当に果てというものがあるなら一度くらいは行ってみたいと思う」という歌詞に終末感漂う。
そもそもデビューシングルの「世界の終わり」からして終焉を思わせる内容になっており、ラストライブも「世界の終わり」で締めくくるという、出来すぎな最後を迎えたバンド。2009年、アベフトシの急逝で再結成もあり得なくなってしまったところでより切に響く。
thee michelle gun elephant ジプシーサンデー
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / PINK
◆ROSSO『Emissions』
終末期というか、「いやこれもう終わるでしょ…」みたいな閉塞感たっぷりのアルバム。かなりの緊張感が漂っているが、改めてジャケット見るとちょっと笑う。
◆アリス・イン・チェインズ『Alice In Chains』
ボーカルのレイン・ステイリー在籍時としては最後のアルバム。レインが亡くなったのは本作発表から6年後の2002年だが、本作のレコーディング時にはドラッグの影響でかなり衰弱していたらしく、レインが中々現れなかったりと難航したらしい。アリス・イン・チェインズの楽曲が基本的にネガティブなので、このアルバムが特別ということはないかもしれないが、"Heaven Besides You"など死を思わせる楽曲にこの時期のレインの声が乗ると言い知れない雰囲気が漂ってます。
Alice in Chains - Heaven Beside You
◆スマッシング・パンプキンズ『Machina/The Machines of God』
- アーティスト: Smashing Pumpkins
- 出版社/メーカー: Virgin Records Us
- 発売日: 2000/02/04
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再結成前としては最後のスマパンのアルバム。"Stand Inside Your Love"、"I Of The Mourning"は悲嘆の感情が溢れるかのよう。逆に"Try,Try,Try"のような優しい曲調の名曲もある。はっきり言って売れそうな派手さのある曲は少ないんですが、雰囲気含めてスマパンの中でも1,2を争うくらい好き。
"Try,Try,Try"は解散後にネットで無料配信された『Machina Ⅱ』に収録された別バージョンも良いです。そのへんでダウンロードできます。
2018年、ついにジェームズ・イハも参加のほぼオリジナルメンバーで再結成をしたが、アルバムの評価には賛否あるようで。ツアーで日本には来るんでしょうか。ミスチル地蔵のせいで無いかもなあ…
The Smashing Pumpkins - Stand Inside Your Love
◆デイヴィッド・ボウイ『★(Black Star)』
リリース直後に旅立ってしまったこともあり、どうしても遺書のような意味づけをしてしまう作品。本人に自覚があったかは勿論もうわからないのだが、死を匂わすような雰囲気が全編に渡って漂っており、その反面力強さみたいなものも感じさせる不思議な作品。
David Bowie - I Can't Give Everything Away
◆ニック・ドレイク『Pink Moon』
ニック・ドレイクは死後に評価が高まったパターンのシンガーで、発表したアルバムはどれも売り上げが伸びず。3枚目のこのアルバムを収録した時点では失意の底にあったとのこと。30分ほどの短いアルバムで、アレンジもなくシンプルに、静かに歌われる楽曲が続くが、優しい歌声に底無しの悲哀が感じられてもう。最近ジェイク・バグがカバーしててコメント欄がそこそこに荒れてた。
◆ニルヴァーナ『In Utero』
1993年発の3作目でラストアルバム。本人達が最後と思っていたか、今はもうわからないですが、マイナーキーの曲が圧倒的に多いバンドにおいてこのアルバムのラストトラックである"All Apologies"が暖かく響くところに終わりを感じ取ってしまう。"What else could I be?"という歌詞が切ない。カートが自殺するのは本作リリースの1年後。
Nirvana - All Apologies (MTV Unplugged)
◆クイーン『Innuendo』
フレディ・マーキュリー存命時では最後のアルバムで、このころにはHIVの症状がかなり進んでいたとのこと。ラストトラックの"The Show Must Go On"にはバンドの壮絶な覚悟が表れているような気がする。映画"ボヘミアン・ラプソディ"ではエンディングに使われてましたねー。
Queen - The Show Must Go On (Official Video)
なんかもうちょっと書きたいアルバムがあった気がするんですけど、出てこないんでたまったら書こ
HMV OnlineはCD販売をやめたいのかもしれない
我ながら反省がないんですけど、悪名高いHMV Onlineで買い物をしたらまたちょっとひどいことになったのでご報告申し上げます。
この記事↓にも書いたとおり、HMV Onlineは在庫管理を少なくとも北極か大気圏外で行っているためなかなか正確に在庫が把握できないと考えられています。
商品注文時は「翌日出荷」だったものが「2-3日後に出荷」になり、数日後には「8-15日後」になり、「16-60日間」になり、果ては「入荷できませんでしたテヘッ」になるパターンがだいたい1回の注文で1件は必ずあるんですけど、今回なかなかすさまじかったです。
5点注文したんですけど、1点入荷したのみで残り4点はすべて「16-16日間」になりました(注文時は「翌日出荷」か「2-3日でお取り寄せ」だった)。
「現在商品の手配を行なっており、入荷次第早急に配送準備等を行う予定です。」ってメールには書いてあるんですけど、これ嘘ですね。誰も動いてないです。そもそも入荷する気なんかなくて、今回も60日をすぎたら勝手にキャンセル扱いにしてくることでしょう。
60日後に入荷って。何、500年前の貿易?
流石に、流石に。ちょっと、無い。
どうして毎度この仕打ちを受けてなおHMVから買うかというと、Amazonよりも安く買えたり、Amazonに在庫がないのを取り扱っているためだったりします。が、実際は取り扱ってなどいません。そこに商品はいません。眠ってなんかいません。
で、TwitterなんかでHMV Onlineの在庫管理に関するツイートを検索してみると、10年近く前から似たような報告があることがわかるんですよね。改善する気がないってことです。価格.comの評価も惨憺たるものでした。(https://kakaku.com/shopreview/9008/)
流石に不思議になる。こんなに欠点だらけのサイトを、改善もせず同じやり方で運営し続ける理由。使えば使うほどにヘイトがたまっていく謎のゴミサイト。
これ、真面目にCDの販売をやめたいんじゃないかなーと思います。私はCDかなり買ってる方ですけど、CDが時代遅れなのは重々理解してます。場所取るし、PCに取り込んだらほぼ使わないし、通販だと届くまで時差あるし。正直、フィジカルなグッズを手に取れるという満足感以外、何もいいところがない代物です。レコードと比べてインテリアとしても微妙。カラス避けにもならない。
日本は海外と比べればCDが売れてる方って言いますけど、(元CDショップ店員の経験から言っても)売れてるのなんてアイドルがほとんど。洋楽のCDなんてマジで売れないです。ゴミ同然。
それでも私みたいなめんどくさい音楽ファンが一定数はいるため販売自体はやめるわけにいかず、でもなるだけ在庫持たないように入荷数は最小限に留める…みたいな感じ。店側にとってCDはお荷物でしかない感じです。
さらに言うと、洋楽のCDを買うならAmazonが最強でして、値段も品揃えも段違い。上述の通りHMVはたまにAmazonより安くなることがあるんですけど、基本的にはAmazonに勝るところは一つもないわけです。
こうなるともうCDの販売なんかやめたい。でもいきなりやめますとも言えない。
なのでHMV Onlineは決めました。
在庫管理の杜撰化に努め、鈍重な発送を心がけ、客への対応は不誠実を徹底しよう!と。
努力の甲斐あってHMV Onlineは着々と利用者を減らしてきています。この調子でいけば、近いうちにHMVでCDを買おうなどと愚かなことを考える人間はいなくなるでしょう。かくしてHMV OnlineはCD販売事業から撤退し、利益率の高い事業に打ち込めることになったのでした…
え、じゃあそうなるとHMVにどんな価値が残っているんでしょうか…うーん、何一つ思いつかない…。なんでつぶれないんだろう、というかなぜローソンは合併したんだろう、謎だ…
一つ良いことがあるとすると、相対的にタワレコがすごい誠実な会社に見えてくることですかね…?
高田純次とボズ・スキャッグスが似ている
高田純次とボズ・スキャッグスの間には針の先ほどの関わりもないのだが、とにかく顔が似ている。
ボズ・スキャッグスのことは詳しくない。We're All Aloneは好きだがあの手のMORを愛聴できるほどにはまだ人間として成熟できていないのだろう。だから音楽的に彼を語ることはできない。しかし高田純次に似ていることはわかる。今日たまたまTSUTAYAで見かけた高田純次が洋楽コーナーの一角を牛耳っていたため、驚いて二度見したところボズ・スキャッグスだったことに端を発する。この2人は似ている。
似ていると言ってももちろん、顔だけの話だ。内面にはなんら類似するところがない。ボズ・スキャッグスは適当な男ではないはずだ。いやもしかすると絵に描いたようなずぼら男なのかもしれないが、少なくとも彼の音楽からは適当さを感じられない。むしろとても丁寧な感触だ。こうなると、困ってくる。これ以上高田純次とボズ・スキャッグスを結びつけて何かを語ることができそうにないのだ。
ボズ・スキャッグスの曲は2、3曲しか挙げられないのに、高田純次と似ているという一点のみをもって記事を書こうとしたことが間違いだった。こちとらなんなら高田純次のこともよく知らないのだ。
むしろ高田純次のことを深く知ると豪語できる人がどれほどいるだろうか。いたとすればなぜあなたは高田純次に興味を抱き、彼について深掘りするというおよそ生産性の感じられない行為に時間を費やしたのか。興味深い。深掘りしたい事実だ。
・・・そうだ、平井堅の話をすればよいのではないか。
唐突だと思われるだろうか。何故ここで何の関わりもない平井堅が現れるのか。話の変わり方が青天の霹靂レベルだと罵られるだろうか。だが聞いてほしい。
平井堅は、先述のWe're All Aloneをカバーしているのである。どうだ。だからなんだという感じだろう。『平井堅はボズ・スキャッグスのカバーをしているので、高田純次との相似性の話で突如平井堅が割って入っても差し支えない。』
論理の飛躍とはこういうことを言う。いや、すでに論理の体をなしていない。日本人なので、論理性のない話を堂々と展開してみせる。日本人なのだ。日本人は論理ではなく、雰囲気や不文律で動く。だから平井堅について突然話し始めたとしても、それは国民性だと思って許容いただきたい。
しかしここで不都合が顔を出す。先ほどまでの鮮やかな詭弁により、晴れて平井堅について語ることが可能になったわけなのだが、平井堅に関する知識が早くも底を尽きそうということだ。平井堅についてもよく知らないのである。平井堅にさえ話を持っていけば、ネタなど湯水の如く湧いてくるだろうと思われたのだが、平井堅にそこまでの力が無かったということだろうか。しっかりしてほしい。
千文字の目標に達したので、平井堅はさておいて筆を置こうと思う。最後にお世話になったボズ・スキャッグスの宣伝をしたい。彼は来たる5月7日から9日にかけて3日間、Bunkamuraオーチャードホテルにて来日公演を予定している。素晴らしいライブになることは間違いない。2、3曲しか知らない僕ですら確信を持って言えるのだ。きっと往年のファンは感涙に咽び泣くことだろう。チケットを買おう。
エリック・クラプトン 4/20 武道館レポ
良いことが3つあった。
ひとつ目は、新幹線を自由席で予約して良い席に座れたこと。
ふたつ目は、残額19円のICカードに2000円チャージしたら2019円になったことだ。2019年に2019円。ささやかにスペシャルだ。もっとも直後、山手線に乗って1849年になってしまったのだが。もうすぐ黒船がやってくる気がしている。
みっつ目は、エリック・クラプトン御大を武道館で見たことだ。嬉しさの割合で言うとみっつ目が九分九厘を占める。
正直に言うと、チケットを取った段階ではほとんどパンダを観に行くような感覚だった。有名だけど見る機会の限られているものを実際に見てみたいという好奇心に近いもの。
高校の時、彼のベスト盤をレンタルして聴いてみたが、いまいちピンとこなかった。あの「いとしレイラ」の人なので、すんごいミュージシャンには違いないのだが、I Shot The Sheriffでもう駄目だった。
古臭い、わかりにくい、盛り上がりがない。これらの悪言は作曲者のボブ・マーリーにも向けるべきだったのかもしれないが、とにかくニルヴァーナとRHCPを愛聴する高校生には色々と難しかった。
その後Tears In HeavenやMy Father's Eyeなど好きな曲はいくつかできるものの、依然として彼のブルースに根ざした音楽に入れ込むことはなかった。
それからオリンピック2回分くらいの年数が経ち、今回のライブが決まった。ライブはしっかり予習をする方なので、今回久し振りにエリック・クラプトンのCDを掘り返してみたところ。
驚くほどすっと入ってきた。ピンとこなかったI Shot The Sheriffに熱くなり、Wonderful Tonightでしっとりした気分になり、Bad Loveのリフを弾いたりした。どこが名曲なのかさっぱりわからなかったCocaineも好きになった。
何より発見だったのが、自分のブルースへの苦手がなくなっていたことだ。UnpluggedのBefore You Accuse Meの皮肉っぽい雰囲気を気に入り、口ずさむまでになった。
そんなわけで、未だに熱心なファンとは言えないながらも、有名曲は一通りわかるまでになって迎えた今回の武道館ライブ。今回の日本公演の最終日に当たる。
開演は5時。子供の門限かよと思いつつ4時30ごろに到着。
チケットはかなり直前に取ったので、ステージサイドのA席だそうだが、ステージサイドってなんだ?と思っていたら文字通りステージの側にある、真横の位置だということがわかる。とは言え距離的にはかなり近いといって良い。むしろ普段は見られない角度で、近距離から見られるので特に不満は感じなかった。
客入りは上々。というかほぼ売り切れたんじゃないだろうか。(外でチケット譲ってくださいおじさんを見かけた。)あとライブ名物ダフ屋おじさんもいた。ダフ屋のおじさんがガラ悪いのはライブ名物だと思う。
流石に上の世代の人が多かったが、若い人も結構混じっていた。というか隣の席の子がママと一緒に来た小学生でビビった。わかるんだろうかと思ったら各所でテンション上げていたので好きなんだろう。小学生でエリック・クラプトン。英才教育だ。是非ワン、、、とかに走らずそのまま歩んでいって欲しい。
さて、五分ほど遅れて開演したライブ、開幕曲はPretending。始まりにふさわしい安心感がある。その後Key To The Worldをはじめとするブルースソングが続く。
今回帯同してるギタリスト(ドイルさんというらしい)がガンガンソロを弾くので、最初はもうギターは伴奏に徹するんかなと思ったが、途中からしっかりとソロを弾きだし、謎の安堵感を覚える。聴覚が衰えているという話も聴いて心配だったのをよそに、ギターも歌もそんな暗い兆候を感じさせないプレイだった。
間違いなく、全盛期ほどは指も動かないし神がかりなフレーズもそうそう出てこないのだろう。ただそれが気にならないのは、彼のステージングがとにかく「自然」に見えたからだと思う。
朝起きて歯を磨いて顔を洗うくらいの、自然な行動として、ギターを弾いて歌を歌っている。当たり前のことだから、見ているこちらも変に構えずに済む。60を超えたミュージシャンは、やっぱり全盛期を知っているだけあってなんだかハラハラすることが多いのだけれど、そういうものが不思議なほどなかった。
固唾ではなく、まあなんかお茶とか飲みながらリラックスして聴ける、それがエリック・クラプトンのブルースなのかもしれないと思わせられる。
そして今回自分の中ではハイライトだったのが、あのI Shot The Sheriff。今回のライブの予習をするうちに大好きになった曲だった。この曲は歌詞を知るともっと好きになれると思う。クールな曲調に怒りがよく表現されている。
ギターを持ちかえ、椅子に座ってアコースティックタイムに入る。Tears In Heaven、Layla、Running on Faithと怒涛の名曲続き。Tears In Heavenはアンプラグドよりも軽めのアレンジで柔らかに演奏された。青く照らされたステージが印象的だった。
本人は何百回演奏してきて飽き飽きしているかもしれないし、観客だって何百回と聴いてきた曲のはずだけれど、やっぱり特別なんだと思わせる雰囲気が感じ取れた。
その後エレキの編成に戻ってWonderful Tonight。方々でスマホのライトをつけている揺らめかせている人がいて、なかなかにワンダフルな光景だった。
また、その後Badgeが聴けたのは嬉しかった。クリームナンバーはそんなに積極的にやらないのかと思っていたので。この曲はギターより何よりメロディが好きなんだけど、なるほどジョージ・ハリスンも作曲に関わっているのだそう。納得。
本編最後はCocaine。最初は淡白な曲だと思っていたのに、今やあのリフを聴くとテンションが上がってしまう。なんという体にしてくれたのだろうか。コカインに反応する体、なかなかにやばみがある。観客も揃ってコカインコールをするのだが、日本人にとってなかなかタイムリーな話題の薬物だけあってちょっと変わった光景に見えた人は少なくなかったろう。
アンコールの曲名が出てこなかったんだけど、キーボードが歌い出したのにビビる。リアルで「お前が歌うんかい」と言い出しそうになった。会場のどこかで言ってた人もいるんじゃないかと思う。
そんな感じで、MCは一つもなく結構あっさり終わったライブ、なかなかに満足でした。個人的にはネイザン・イーストが見られたのが棚からぼたもち的で嬉しかった。5弦ベースかっこいいな・・・欲しいな・・・あと観客の声援に一番答えてたのはネイザンだった気がする。あの人絶対良い人だろ
そんなこんなで武道館を後にし、帰路に着く。ICカードの残額は1500円代に減っていた。もうすぐ鉄砲が伝来する気がしている。
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未だ合コンに参加した経験がなく、またこれから先する予定も気概もない。
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