終末期のアルバムが最高に好き、みたいな話
バンドって突然解散する場合もあれば、本人たちが「あぁそろそろ終わりなんだろうな」って自覚してるような場合もあるじゃないですか。
原因としては、メンバーの加齢だったり音楽性の違いだったり普通に仲悪くなってきたり、いろいろ蓄積してきたものがあるんでしょう。
で、後者の場合(解散や活動休止を自覚している場合)なんですけど、その時期に作られたアルバムがめちゃくちゃ良い味出すことがあるんですよ。なんというか、「終末期」に漂う哀愁みたいなものがぷんぷん出てて沁みる。いわゆるわびさび(wabi-sabi)じゃないですけど、「終わりがあるから美しい そんなの分かりたくもないよ(amazarashi)」みたいな感じです。何言ってんの。
以下、そういう「終わりかけ期」に作られた終末感漂うアルバムです。
実質最後のスタジオアルバム。なんというか、最後の思い出作りかのような雰囲気を感じ取ってしまうが、歌詞にはやっぱり当時のギスギス感が反映されたようなものも多い。Octopus Gardenとか。Golden Slumberからの盛り上がりは、まるで映画の締めくくりのよう。
Golden Slumbers / Carry That Weight / The End
◆THEE MICHELLE GUN ELEPHANT『サブリナ・ヘヴン』『サブリナ・ノー・ヘヴン』
- アーティスト: THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
- 出版社/メーカー: Universal Music LLC
- 発売日: 2005/07/01
- メディア: MP3 ダウンロード
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- アーティスト: THEE MICHELLE GUN ELEPHANT,YUSUKE CHIBA
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2003/06/21
- メディア: CD
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終末期の味と言えばミッシェル。この2枚(+ロデオ・タンデム・ビート・スペクター)に漂う「あぁ…駄目だわこれ世界終わるわ…」みたいな感じがたまらない。ジプシー・サンディーの「どこかに本当に果てというものがあるなら一度くらいは行ってみたいと思う」という歌詞に終末感漂う。
そもそもデビューシングルの「世界の終わり」からして終焉を思わせる内容になっており、ラストライブも「世界の終わり」で締めくくるという、出来すぎな最後を迎えたバンド。2009年、アベフトシの急逝で再結成もあり得なくなってしまったところでより切に響く。
thee michelle gun elephant ジプシーサンデー
THEE MICHELLE GUN ELEPHANT / PINK
◆ROSSO『Emissions』
終末期というか、「いやこれもう終わるでしょ…」みたいな閉塞感たっぷりのアルバム。かなりの緊張感が漂っているが、改めてジャケット見るとちょっと笑う。
◆アリス・イン・チェインズ『Alice In Chains』
ボーカルのレイン・ステイリー在籍時としては最後のアルバム。レインが亡くなったのは本作発表から6年後の2002年だが、本作のレコーディング時にはドラッグの影響でかなり衰弱していたらしく、レインが中々現れなかったりと難航したらしい。アリス・イン・チェインズの楽曲が基本的にネガティブなので、このアルバムが特別ということはないかもしれないが、"Heaven Besides You"など死を思わせる楽曲にこの時期のレインの声が乗ると言い知れない雰囲気が漂ってます。
Alice in Chains - Heaven Beside You
◆スマッシング・パンプキンズ『Machina/The Machines of God』
- アーティスト: Smashing Pumpkins
- 出版社/メーカー: Virgin Records Us
- 発売日: 2000/02/04
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再結成前としては最後のスマパンのアルバム。"Stand Inside Your Love"、"I Of The Mourning"は悲嘆の感情が溢れるかのよう。逆に"Try,Try,Try"のような優しい曲調の名曲もある。はっきり言って売れそうな派手さのある曲は少ないんですが、雰囲気含めてスマパンの中でも1,2を争うくらい好き。
"Try,Try,Try"は解散後にネットで無料配信された『Machina Ⅱ』に収録された別バージョンも良いです。そのへんでダウンロードできます。
2018年、ついにジェームズ・イハも参加のほぼオリジナルメンバーで再結成をしたが、アルバムの評価には賛否あるようで。ツアーで日本には来るんでしょうか。ミスチル地蔵のせいで無いかもなあ…
The Smashing Pumpkins - Stand Inside Your Love
◆デイヴィッド・ボウイ『★(Black Star)』
リリース直後に旅立ってしまったこともあり、どうしても遺書のような意味づけをしてしまう作品。本人に自覚があったかは勿論もうわからないのだが、死を匂わすような雰囲気が全編に渡って漂っており、その反面力強さみたいなものも感じさせる不思議な作品。
David Bowie - I Can't Give Everything Away
◆ニック・ドレイク『Pink Moon』
ニック・ドレイクは死後に評価が高まったパターンのシンガーで、発表したアルバムはどれも売り上げが伸びず。3枚目のこのアルバムを収録した時点では失意の底にあったとのこと。30分ほどの短いアルバムで、アレンジもなくシンプルに、静かに歌われる楽曲が続くが、優しい歌声に底無しの悲哀が感じられてもう。最近ジェイク・バグがカバーしててコメント欄がそこそこに荒れてた。
◆ニルヴァーナ『In Utero』
1993年発の3作目でラストアルバム。本人達が最後と思っていたか、今はもうわからないですが、マイナーキーの曲が圧倒的に多いバンドにおいてこのアルバムのラストトラックである"All Apologies"が暖かく響くところに終わりを感じ取ってしまう。"What else could I be?"という歌詞が切ない。カートが自殺するのは本作リリースの1年後。
Nirvana - All Apologies (MTV Unplugged)
◆クイーン『Innuendo』
フレディ・マーキュリー存命時では最後のアルバムで、このころにはHIVの症状がかなり進んでいたとのこと。ラストトラックの"The Show Must Go On"にはバンドの壮絶な覚悟が表れているような気がする。映画"ボヘミアン・ラプソディ"ではエンディングに使われてましたねー。
Queen - The Show Must Go On (Official Video)
なんかもうちょっと書きたいアルバムがあった気がするんですけど、出てこないんでたまったら書こ
HMV OnlineはCD販売をやめたいのかもしれない
我ながら反省がないんですけど、悪名高いHMV Onlineで買い物をしたらまたちょっとひどいことになったのでご報告申し上げます。
この記事↓にも書いたとおり、HMV Onlineは在庫管理を少なくとも北極か大気圏外で行っているためなかなか正確に在庫が把握できないと考えられています。
商品注文時は「翌日出荷」だったものが「2-3日後に出荷」になり、数日後には「8-15日後」になり、「16-60日間」になり、果ては「入荷できませんでしたテヘッ」になるパターンがだいたい1回の注文で1件は必ずあるんですけど、今回なかなかすさまじかったです。
5点注文したんですけど、1点入荷したのみで残り4点はすべて「16-16日間」になりました(注文時は「翌日出荷」か「2-3日でお取り寄せ」だった)。
「現在商品の手配を行なっており、入荷次第早急に配送準備等を行う予定です。」ってメールには書いてあるんですけど、これ嘘ですね。誰も動いてないです。そもそも入荷する気なんかなくて、今回も60日をすぎたら勝手にキャンセル扱いにしてくることでしょう。
60日後に入荷って。何、500年前の貿易?
流石に、流石に。ちょっと、無い。
どうして毎度この仕打ちを受けてなおHMVから買うかというと、Amazonよりも安く買えたり、Amazonに在庫がないのを取り扱っているためだったりします。が、実際は取り扱ってなどいません。そこに商品はいません。眠ってなんかいません。
で、TwitterなんかでHMV Onlineの在庫管理に関するツイートを検索してみると、10年近く前から似たような報告があることがわかるんですよね。改善する気がないってことです。価格.comの評価も惨憺たるものでした。(https://kakaku.com/shopreview/9008/)
流石に不思議になる。こんなに欠点だらけのサイトを、改善もせず同じやり方で運営し続ける理由。使えば使うほどにヘイトがたまっていく謎のゴミサイト。
これ、真面目にCDの販売をやめたいんじゃないかなーと思います。私はCDかなり買ってる方ですけど、CDが時代遅れなのは重々理解してます。場所取るし、PCに取り込んだらほぼ使わないし、通販だと届くまで時差あるし。正直、フィジカルなグッズを手に取れるという満足感以外、何もいいところがない代物です。レコードと比べてインテリアとしても微妙。カラス避けにもならない。
日本は海外と比べればCDが売れてる方って言いますけど、(元CDショップ店員の経験から言っても)売れてるのなんてアイドルがほとんど。洋楽のCDなんてマジで売れないです。ゴミ同然。
それでも私みたいなめんどくさい音楽ファンが一定数はいるため販売自体はやめるわけにいかず、でもなるだけ在庫持たないように入荷数は最小限に留める…みたいな感じ。店側にとってCDはお荷物でしかない感じです。
さらに言うと、洋楽のCDを買うならAmazonが最強でして、値段も品揃えも段違い。上述の通りHMVはたまにAmazonより安くなることがあるんですけど、基本的にはAmazonに勝るところは一つもないわけです。
こうなるともうCDの販売なんかやめたい。でもいきなりやめますとも言えない。
なのでHMV Onlineは決めました。
在庫管理の杜撰化に努め、鈍重な発送を心がけ、客への対応は不誠実を徹底しよう!と。
努力の甲斐あってHMV Onlineは着々と利用者を減らしてきています。この調子でいけば、近いうちにHMVでCDを買おうなどと愚かなことを考える人間はいなくなるでしょう。かくしてHMV OnlineはCD販売事業から撤退し、利益率の高い事業に打ち込めることになったのでした…
え、じゃあそうなるとHMVにどんな価値が残っているんでしょうか…うーん、何一つ思いつかない…。なんでつぶれないんだろう、というかなぜローソンは合併したんだろう、謎だ…
一つ良いことがあるとすると、相対的にタワレコがすごい誠実な会社に見えてくることですかね…?
高田純次とボズ・スキャッグスが似ている
高田純次とボズ・スキャッグスの間には針の先ほどの関わりもないのだが、とにかく顔が似ている。
ボズ・スキャッグスのことは詳しくない。We're All Aloneは好きだがあの手のMORを愛聴できるほどにはまだ人間として成熟できていないのだろう。だから音楽的に彼を語ることはできない。しかし高田純次に似ていることはわかる。今日たまたまTSUTAYAで見かけた高田純次が洋楽コーナーの一角を牛耳っていたため、驚いて二度見したところボズ・スキャッグスだったことに端を発する。この2人は似ている。
似ていると言ってももちろん、顔だけの話だ。内面にはなんら類似するところがない。ボズ・スキャッグスは適当な男ではないはずだ。いやもしかすると絵に描いたようなずぼら男なのかもしれないが、少なくとも彼の音楽からは適当さを感じられない。むしろとても丁寧な感触だ。こうなると、困ってくる。これ以上高田純次とボズ・スキャッグスを結びつけて何かを語ることができそうにないのだ。
ボズ・スキャッグスの曲は2、3曲しか挙げられないのに、高田純次と似ているという一点のみをもって記事を書こうとしたことが間違いだった。こちとらなんなら高田純次のこともよく知らないのだ。
むしろ高田純次のことを深く知ると豪語できる人がどれほどいるだろうか。いたとすればなぜあなたは高田純次に興味を抱き、彼について深掘りするというおよそ生産性の感じられない行為に時間を費やしたのか。興味深い。深掘りしたい事実だ。
・・・そうだ、平井堅の話をすればよいのではないか。
唐突だと思われるだろうか。何故ここで何の関わりもない平井堅が現れるのか。話の変わり方が青天の霹靂レベルだと罵られるだろうか。だが聞いてほしい。
平井堅は、先述のWe're All Aloneをカバーしているのである。どうだ。だからなんだという感じだろう。『平井堅はボズ・スキャッグスのカバーをしているので、高田純次との相似性の話で突如平井堅が割って入っても差し支えない。』
論理の飛躍とはこういうことを言う。いや、すでに論理の体をなしていない。日本人なので、論理性のない話を堂々と展開してみせる。日本人なのだ。日本人は論理ではなく、雰囲気や不文律で動く。だから平井堅について突然話し始めたとしても、それは国民性だと思って許容いただきたい。
しかしここで不都合が顔を出す。先ほどまでの鮮やかな詭弁により、晴れて平井堅について語ることが可能になったわけなのだが、平井堅に関する知識が早くも底を尽きそうということだ。平井堅についてもよく知らないのである。平井堅にさえ話を持っていけば、ネタなど湯水の如く湧いてくるだろうと思われたのだが、平井堅にそこまでの力が無かったということだろうか。しっかりしてほしい。
千文字の目標に達したので、平井堅はさておいて筆を置こうと思う。最後にお世話になったボズ・スキャッグスの宣伝をしたい。彼は来たる5月7日から9日にかけて3日間、Bunkamuraオーチャードホテルにて来日公演を予定している。素晴らしいライブになることは間違いない。2、3曲しか知らない僕ですら確信を持って言えるのだ。きっと往年のファンは感涙に咽び泣くことだろう。チケットを買おう。
エリック・クラプトン 4/20 武道館レポ
良いことが3つあった。
ひとつ目は、新幹線を自由席で予約して良い席に座れたこと。
ふたつ目は、残額19円のICカードに2000円チャージしたら2019円になったことだ。2019年に2019円。ささやかにスペシャルだ。もっとも直後、山手線に乗って1849年になってしまったのだが。もうすぐ黒船がやってくる気がしている。
みっつ目は、エリック・クラプトン御大を武道館で見たことだ。嬉しさの割合で言うとみっつ目が九分九厘を占める。
正直に言うと、チケットを取った段階ではほとんどパンダを観に行くような感覚だった。有名だけど見る機会の限られているものを実際に見てみたいという好奇心に近いもの。
高校の時、彼のベスト盤をレンタルして聴いてみたが、いまいちピンとこなかった。あの「いとしレイラ」の人なので、すんごいミュージシャンには違いないのだが、I Shot The Sheriffでもう駄目だった。
古臭い、わかりにくい、盛り上がりがない。これらの悪言は作曲者のボブ・マーリーにも向けるべきだったのかもしれないが、とにかくニルヴァーナとRHCPを愛聴する高校生には色々と難しかった。
その後Tears In HeavenやMy Father's Eyeなど好きな曲はいくつかできるものの、依然として彼のブルースに根ざした音楽に入れ込むことはなかった。
それからオリンピック2回分くらいの年数が経ち、今回のライブが決まった。ライブはしっかり予習をする方なので、今回久し振りにエリック・クラプトンのCDを掘り返してみたところ。
驚くほどすっと入ってきた。ピンとこなかったI Shot The Sheriffに熱くなり、Wonderful Tonightでしっとりした気分になり、Bad Loveのリフを弾いたりした。どこが名曲なのかさっぱりわからなかったCocaineも好きになった。
何より発見だったのが、自分のブルースへの苦手がなくなっていたことだ。UnpluggedのBefore You Accuse Meの皮肉っぽい雰囲気を気に入り、口ずさむまでになった。
そんなわけで、未だに熱心なファンとは言えないながらも、有名曲は一通りわかるまでになって迎えた今回の武道館ライブ。今回の日本公演の最終日に当たる。
開演は5時。子供の門限かよと思いつつ4時30ごろに到着。
チケットはかなり直前に取ったので、ステージサイドのA席だそうだが、ステージサイドってなんだ?と思っていたら文字通りステージの側にある、真横の位置だということがわかる。とは言え距離的にはかなり近いといって良い。むしろ普段は見られない角度で、近距離から見られるので特に不満は感じなかった。
客入りは上々。というかほぼ売り切れたんじゃないだろうか。(外でチケット譲ってくださいおじさんを見かけた。)あとライブ名物ダフ屋おじさんもいた。ダフ屋のおじさんがガラ悪いのはライブ名物だと思う。
流石に上の世代の人が多かったが、若い人も結構混じっていた。というか隣の席の子がママと一緒に来た小学生でビビった。わかるんだろうかと思ったら各所でテンション上げていたので好きなんだろう。小学生でエリック・クラプトン。英才教育だ。是非ワン、、、とかに走らずそのまま歩んでいって欲しい。
さて、五分ほど遅れて開演したライブ、開幕曲はPretending。始まりにふさわしい安心感がある。その後Key To The Worldをはじめとするブルースソングが続く。
今回帯同してるギタリスト(ドイルさんというらしい)がガンガンソロを弾くので、最初はもうギターは伴奏に徹するんかなと思ったが、途中からしっかりとソロを弾きだし、謎の安堵感を覚える。聴覚が衰えているという話も聴いて心配だったのをよそに、ギターも歌もそんな暗い兆候を感じさせないプレイだった。
間違いなく、全盛期ほどは指も動かないし神がかりなフレーズもそうそう出てこないのだろう。ただそれが気にならないのは、彼のステージングがとにかく「自然」に見えたからだと思う。
朝起きて歯を磨いて顔を洗うくらいの、自然な行動として、ギターを弾いて歌を歌っている。当たり前のことだから、見ているこちらも変に構えずに済む。60を超えたミュージシャンは、やっぱり全盛期を知っているだけあってなんだかハラハラすることが多いのだけれど、そういうものが不思議なほどなかった。
固唾ではなく、まあなんかお茶とか飲みながらリラックスして聴ける、それがエリック・クラプトンのブルースなのかもしれないと思わせられる。
そして今回自分の中ではハイライトだったのが、あのI Shot The Sheriff。今回のライブの予習をするうちに大好きになった曲だった。この曲は歌詞を知るともっと好きになれると思う。クールな曲調に怒りがよく表現されている。
ギターを持ちかえ、椅子に座ってアコースティックタイムに入る。Tears In Heaven、Layla、Running on Faithと怒涛の名曲続き。Tears In Heavenはアンプラグドよりも軽めのアレンジで柔らかに演奏された。青く照らされたステージが印象的だった。
本人は何百回演奏してきて飽き飽きしているかもしれないし、観客だって何百回と聴いてきた曲のはずだけれど、やっぱり特別なんだと思わせる雰囲気が感じ取れた。
その後エレキの編成に戻ってWonderful Tonight。方々でスマホのライトをつけている揺らめかせている人がいて、なかなかにワンダフルな光景だった。
また、その後Badgeが聴けたのは嬉しかった。クリームナンバーはそんなに積極的にやらないのかと思っていたので。この曲はギターより何よりメロディが好きなんだけど、なるほどジョージ・ハリスンも作曲に関わっているのだそう。納得。
本編最後はCocaine。最初は淡白な曲だと思っていたのに、今やあのリフを聴くとテンションが上がってしまう。なんという体にしてくれたのだろうか。コカインに反応する体、なかなかにやばみがある。観客も揃ってコカインコールをするのだが、日本人にとってなかなかタイムリーな話題の薬物だけあってちょっと変わった光景に見えた人は少なくなかったろう。
アンコールの曲名が出てこなかったんだけど、キーボードが歌い出したのにビビる。リアルで「お前が歌うんかい」と言い出しそうになった。会場のどこかで言ってた人もいるんじゃないかと思う。
そんな感じで、MCは一つもなく結構あっさり終わったライブ、なかなかに満足でした。個人的にはネイザン・イーストが見られたのが棚からぼたもち的で嬉しかった。5弦ベースかっこいいな・・・欲しいな・・・あと観客の声援に一番答えてたのはネイザンだった気がする。あの人絶対良い人だろ
そんなこんなで武道館を後にし、帰路に着く。ICカードの残額は1500円代に減っていた。もうすぐ鉄砲が伝来する気がしている。
カラオケ合コンに合う洋楽10選!気になる相手を落とす定番曲!
未だ合コンに参加した経験がなく、またこれから先する予定も気概もない。
MANOWAR - Warriors Of The World United (Live) - OFFICIAL VIDEO
半強制が一番腹立つからやめろ
コンプライアンスの意識がカタツムリレベルの速度で浸透してきた日本では、もはや何がしかを他人に強制することはちょっとしたリスクとなりつつあるんですけど、結局のところそれで社会が劇的に変わったかというと、のらりくらりと変化を躱すための応急処置だけが講じられてきただけで本当の意識変化は老獪世代が死に絶えない限りは起こらないだろうと思われます。
というのも、「強制」が大っぴらにできなくなった今、八面六臂の活躍を見せるのが「半強制」という概念でして、こやつの姑息さと言ったら宥和政策をふるったチェンバレンのそれに匹敵すると言っても過言ではないのですが、要するに「自身が強制した」という事実を残さず同調圧力をもって断りづらい空気を醸成することで相手を隷従させようという下劣極まりない手段なのです。強制より半強制の方が汚い。
あくまで強制はしていないので従ったとすればそれは本人の意思であるなどと言えるように「逃げる余地」だけは残しておいて、実情としては強制となんら質の変わらない、まさに悪質な方法と言えます。陰口・陰言・当てこすり、なんでもござれで相手の意思を圧殺しておきながら、自身には罪の意識もなく他人の時間を奪い、価値観を踏みにじり、相手を屈服させて悦に入る究極の自慰行為、これが日本に蔓延する半強制。
社員旅行。普通に考えて強制ではないし、ある調査では「行きたい」と回答したのがたった8%だったという誰得行事筆頭。だのにやはり多くの人が自分の意思に反して嫌々参加し、時間と金を無駄にしています。これも半強制の成せるところ。なかなかに頭がおかしい。
勝手に決まった合唱の朝練とか、調整さん使って逃げ場無くしてくる飲み会とか、懇親会という名のヨイショ祭りとか……血管に大量の空気が流入してしまえばいい
いや、マジであの「絶対じゃないけど…、みんな出るよ?えぇ?」みたいな雰囲気出すのやめろよ。こっちはむしろ空気悪くしないように気つかって参加してないんだよ、察しろ。
さてー。読みづらい文章ってあんまり頭使わずに書けるなと思いました。
鬱アルバム&暗い曲をひたすら挙げていく①
暗い部屋の隅で膝かかえて聴きたいアルバムや曲をまとめたよ!
5月病に備えるか、梅雨の季節に活用してね!
◆ジョン・フルシアンテ『Niandra Lades and Usually Just a T-shirt』
ご存じレッチリの元ギタリスト、ジョン・フルシアンテの初ソロ作。自分の中ではキング・オブ・鬱アルバム。タイミング的にはレッチリが"Blood Sugar Sex Magik"で乗りに乗っていた時期なのだが、それをおよそ感じさせないくらい孤独や悲愴が全面に出ている。自宅で録音したものらしく、デモ音源のような音質が剥き出しの感情・質感を出しているのだが、曲自体はド級に美しいという。
名曲揃いのうえ、Bad Brainsのカバーなんかも入っているのが面白い。
後半は歌無しのインストナンバーが続くが、自分が妙に好きなのが#8。できれば梅雨の時期に部屋の隅っこで聴いてほしい。
John Frusciante - My Smile Is A Rifle
◆ジョン・フルシアンテ『Smile From The Streets You Hold』
Niandra~に続く2ndアルバム。本人が「クスリ買う金のために作った」というアルバムで、鬱というより狂気という方が似合う。このアルバムを聴いた後だと「いや、ピンク・フロイドとか全然正気」と言いたくなる。前作よりも勢いで作った感があるためより人を選ぶかも。
Smile From the Streets You Hold
- アーティスト: John Frusciante
- 出版社/メーカー: Birdman
- 発売日: 1997/08/26
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◆ポーティスヘッド『dummy』
陰鬱という言葉がぴったりのアルバム。悲しいとか死にたいとかいう激情が襲ってくるタイプではなく、けだるさや息の詰まりそうな閉塞感が張りつめたサウンドの中に表現されている。
ジャンル的にはトリップ・ポップに属するらしいが、ポップ…?という感じである。
ジョン・フルシアンテの挙げたアルバムとは反対に、徹底的に作りこまれたサウンドという感じ。
Portishead - Sour Times (Ascenseur pour l'échafaud)
◆ニルヴァーナ『In Utero』
聴きすぎて普通にロックアルバムとして楽しめるようになってしまっているんですが、初めて聞いたときはその生々しさにビビった。ニルヴァーナとして最後のスタジオアルバムになったこともあり、その吐き出すような歌とビリビリした感触に意味を見出してしまう。
Nirvana - Heart-Shaped Box (Director's Cut)
◆アリス・イン・チェインズ『Unplugged』
「うつ病のビートルズ」として知られるグランジバンドのライブ盤。ボーカルのレイン・ステイリー急逝の前に収録したアコースティックライブ。
病的な楽曲はスタジオ・アルバムでも聞けるが、まさに風前の灯といえるようなレインの歌声が切に響く。
Alice In Chains - Would? (From MTV Unplugged)
◆ジェフ・バックリィ『Grace』
鬱アルバムというとちょっと外れるが、暗めのアルバムではあるので。その暗さも陰鬱な雰囲気ではなく、ただただ美しさに昇華している名盤。トム・ヨークもマシュー・ベラミーも大好き。
"Last Goodbye"は自分の中で特別な曲で、1枚のアルバムだけ残して急逝した事実を思うとよりこみ上げるものがある。"Lover, You Shoud've Come Over"はジェイミー・カラムのカバーも良い。
Jeff Buckley - Grace (Official Video)
Jeff Buckley - Last Goodbye (Edit)
◆ジョイ・ディヴィジョン『Closer』
暗い系としてはよく挙がるアルバムなのでとりあえず。暗いとかなんとかいうより普通に傑作なので聴くべき。ジョイ・ディヴィジョンのアルバムはジャケットが飾りたいくらい美しい…。
とりあえず部屋を暗くして体育座りした上でヘッドホンをつけて聴こう。
- アーティスト: Joy Division
- 出版社/メーカー: Warner Classics UK
- 発売日: 2007/10/02
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クラシックは詳しくないんですが、さすがにこれは有名なので。チャイコフスキーの交響曲では最高傑作との呼び声も高いそう。タイトルからしてという感じですが、正直第3楽章で止めておけばそこまで鬱々しくもないのでは?という気もする。第4楽章は、まあ。
うつ病患者にこれを聴かせたら悪化したという鬼みたいな実験もあったという話も聞いたことあるが本当か。カラヤンの盤を持ってるのでたまに聴く。
- アーティスト: カラヤン(ヘルベルト・フォン),チャイコフスキー,ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2017/03/08
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◆デイヴィッド・ボウイ 『★(Blackstar)』
いきなりなんだよという感じだが、暗くはない。(明るくもないけど)ただ、リリース直後に亡くなった事実も含めて、終わりの匂いが終始漂っており、それでいて力強さも内包しているという。ボウイのボウイっぷりが最後まで聴ける。
David Bowie - I Can't Give Everything Away
◆バウハウス "Mask"
ゴシック・ロックの祖。バウハウスならどのアルバムでもいいかなと思ったんですけど"Hollow Hills"の地獄っぷりが秀でていたので。今振り返ってみるとポスト・パンクのバンドってよくデビューできたなっていうぐらいに暗いor前衛的なのが多いなと。
- アーティスト: Bauhaus
- 出版社/メーカー: Beggars UK - Ada
- 発売日: 2007/05/21
- メディア: CD
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◆エコー&ザ・バニーメン "Heaven Up Here"
これも鬱というよりは耽美系なんだけど緊張感があってやっぱり全体暗い。そういえばRHCP"OFF THE MAP"のBlood Sugar Sex Magikのアウトロでこれのメロディが聴ける。
Echo & The Bunnymen - Show Of Strength [HQ] [Studio Version]
ここからは曲。
◆RED HOT CHILI PEPPERS "Transcending"
RHCP史上最も暗い曲かも。奈落の底みたいなベースラインからはじまり、転調を経て歪んだ重々しいサウンドの中アンソニーが慟哭する。ハードロック期だけあって重い。
◆The Cure "A Forest"
まさしく森、という雰囲気。
The Cure - A Forest (Official Video)
◆ダミア "暗い日曜日(Sombre Dimanche)"
自殺者が出て禁止になったという曰くつきの曲。最近はYouTuberのおもちゃになっている節がある。
◆アーケード・ファイア"My Body Is A Cage"
セカンドアルバムのラストトラック。「僕の体は檻だ」的な意味。
Arcade Fire - My Body is a Cage
◆ボン・ジョヴィ "My Guitar Lies Bleeding In My Arms"
ボン・ジョヴィ史上最も暗いアルバムの、最も暗い曲。
Bon Jovi - My Guitar lies bleeding in my Arms
◆ボブ・ディラン "The House Of The Rising Sun"
別にディランのバージョンじゃなくてもいいんですけど、アニマルズのバージョンはしめっぽい雰囲気がないので。やっぱフォークソングって暗い。
Bob Dylan - House of the Risin' Sun (Audio)
◆ザ・ドアーズ "The End"
この世の終わりっぽい。
The Doors - The End (original)
◆レディオヘッド "Street Spirit"
暗いといえばレディへは入るだろうなと思って思い浮かべてみたけど実際レディオヘッドって単純に暗い曲って意外とそんなないなとか思った。まあこのへんか。
Radiohead - Street Spirit (Fade Out)
◆オアシス "Where Did It Go Wrong?":暗いかというとそれほどでもないけど普段のビッグマウスの割に「どこで全て間違った?」なんてやっぱりいっぱしの闇をもってるなーという感じの曲。好き。
Oasis - Where Did It All Go Wrong?
◆amarzarashi "穴を掘っている":「墓穴を掘る」を文字通り歌った曲。
◆amazarashi "僕が死のうと思ったのは":もうタイトルで十分な感ある。
The Reason why i thought i'd die (Sub. Español)
◆BUMP OF CHICKEN "続・くだらない歌":BUMPの中で一番わかりやすく暗い曲。多分バンドとして一番しんどい時期の曲。自殺がほのめかされる歌詞があるが、そこはやはりバンプで救いのある結びになっている。
◆BUMP OF CHICKEN "レム":アコギで静かに歌われるが、グサグサと容赦なくブッ刺してくる歌詞が印象的。
飽きたのでここらで終わりますがたまったらまた書きたいです。
◆追記
また書きました。